サザエさんに、御用聞きの三河屋のサブちゃんが登場します。
ご近所のおなじみさんの家を回って注文を取るという業態は、昔は当たり前でした。
考えてみれば、昔は電話も普及していなかったのです。
客が買いに行く以外は、店のほうで来るしかありません。
サブちゃんのように、まず注文だけとって回るか、品物を持ちながら回るかの違いはありますが。
いつの頃からか、買うほうでは家に来られるのは嫌という風潮になり、売るほうでも人手をかけないスーパー方式が普通に、つまり客が店の棚からとって買う形が当たり前になりました。
休日に車で巨大スーパーにまとめ買いに行く、そんなスタイルが現代式だともてはやされたりもしました。
昨今、高齢化が進み、買いに行くのは大変、重いものを持って帰るのは大変となって、御用聞きの復権が叫ばれています。
地域に密着し、本来の領域以外のサービスも何でもすることで、結果的に売り上げを上げている電器屋さんといったビジネスモデルがよく紹介されています。
ぐるっと回って昔に戻った気がします。
やはり地域に密着して1本から配達する、「なんでも酒屋 カクヤス」の佐藤社長が、テレビで言っていました。
かつて流通のエースはデパート。それがスーパーになり、コンビニになった。
つまり、どんどん家庭に近づいている。次は、家庭の勝手口だ、というのです。
まさに、言い得ていると思います。
もうひとつ、私の観点からは、人と人のふれあいこそが、大事なのだと思いますね。
核家族化が進み、若くて元気なうちはそのほうがいいと思っても、歳をとるにつれ、ふれ合いがないことの根源的な欠乏感に、人々が気づいてきたのではないでしょうか。