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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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むかーし、あったんだどー 103 カーボン紙 

少し昔のことを思い出して、今との変化を考えるシリーズです。

会社に入ると伝票というものを書かされました。
たとえば、お金を立て替えたものを会社に返してもらうようなときです。

薄い紙が何枚か重なった形になっていて、間にカーボン紙という黒い紙をはさんで書き込みます。
下に重なった紙にも内容が写るので、同じ情報が書かれたものが、複数枚できます。

それらの紙は、手元に控を残した上で、関連部署に回されます。
つまり、関連する部署の数だけ、重ねの枚数があるわけです。

情報を行きわたらせるという意味では、シンプルですばらしい形であり、それを裏で支えていたのが、カーボン紙というわけです。
ちなみに、メールの「cc」というのは、カーボンコピーの略。

私のような事務系の人間は、伝票を書いたので、カーボン紙もよく使いました。
抽斗の中に、厚紙にはさんで入れていたものです。
そうしないと、接した他のものを汚すからです。

伝票の一枚ごとに、いちいちサンドイッチしていくのは煩雑です。
そのため、紙自体の裏にカーボンをくっつけてある伝票もありました。

書くときは便利ですが、欠点も。
カーボンのついた面は、擦れると、やはり他のものを汚します。
部署によってはカーボンつきの紙ばかり集まるわけですから、たとえば、重なっている中から1枚をさがすとか、何枚分もめくりながら集計するなどというと、手が汚れます。

その後、ノーカーボンという伝票ができました。
紙の中にカーボンの粒を漉きこんであって、上の紙を書くことで圧力がかかると、発色するものです。

これはきれいでしたが、伝票の製作費は高くなりました。
また、ノーカーボンに使われる薬品が公害を引き起こすというので、回収されるといった事件もありました。
今は大丈夫な素材になったでしょう。


その後、オフィスはコンピュータ化され、情報はコンピュータが行きわたらせてくれる時代になりました。
カーボン紙などというものは、すっかり姿を消してしまいました。

今でもカーボン紙やノーカーボンが残っているのは、どうしても紙が必要で、簡単に作れて、控をとる必要があるもの、たとえば領収書などだけでしょう。
by 50TEMPEST | 2011-02-16 11:06 | むかーし、あったんだどー