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OK牧場(OK-Corral)・・・命名の仮説

交流分析の特徴のひとつとして、心理学的な概念が、カジュアルな言葉を当てて名づけられています。

「OK牧場(OK-Corral)」もそのひとつです。
対人的な立ち位置をどうとるかを見るモノサシとして、「I'm OK」「You're OK」の2軸によるマトリクスを使うのですが、そのマトリクスを「OK-Corral」というのです。

corral がどんなものか、日本ではピンとこないこともあり、交流分析を学んでいる人の中には、何か大層な意味がこもっているかのように考えるむきもあります。
しかし私は、これはガッツ石松さんと大して違わないノリで名づけられたのではないか、と思っているのです。


この概念をまとめたフランクリン・アーンストは、映画の「OK牧場」が頭にあり、交流分析の言葉である「OK」からの連想で、そのタイトルをつけたに違いないと思います。

映画のほうは、保安官ワイアット・アープとその兄弟、友人のドク・ホリデイがクラントン一家と決闘した話を描いています。
1881年10月26日、アリゾナ州トゥームストーンのO.K.コラル近くの路上で起こった実話です。

皆さまご記憶のように、昔は西部劇が盛んでしたし、有名なエピソードとして、何度も映画化やテレビ化されています。
有名なものだけでも以下のふたつ。私もビデオで見ました。

A 1946 ジョン・フォード監督『荒野の決闘 (荒野の決闘/いとしのクレメンタイン)』 My Darling Clementine
主演 ヘンリー・フォンダ、ビクター・マチュア
主題曲は、「オーマイダーリン、オーマイダーリン、…」という表題曲です。
私も歌ったことがありますから、それほど流行したのでしょう。

B 1957 ジョン・スタージェス監督『OK牧場の決斗』 Gunfight at the O.K. Corral
主演 バート・ランカスター、カーク・ダグラス
主題曲は、「オーケー、コラール、…」と始まる、ミッキー・レインが歌うウェスタンらしい曲です。

ガッツ石松さんの例のように、日本人さえ、OKと言えば「牧場」とつながるほど、人口に膾炙した言葉ですよね。
いわんや、アメリカ人の頭には、OKとくればコラルとつながるはずです。

映画で「OK牧場」としたのは、コラルを訳す時、適切な言葉がなかったのだと思います。
後に、交流分析のほうの「OK-Corral」を訳そうとなった時、同じ言葉の訳語として、映画のほうの「OK牧場」がもう知られていたので、こちらもそうしたのでしょう。
仮に、映画のことを知らなかったとしても、命名に関するこの仮説が正しいとすれば、結果オーライだったわけです。

さて、ではコラルがどんなものか。
つまりは、あの映画でドンパチやるのがコラルというわけですね。
映画を見てみるのが、てっとり早い。

本当は、牧場とは、少しニュアンスが違います。
牧場という言葉で私たちが連想するのは、あちらこちらに牛がのんびり草を食んでいたりする広ーい場所です。
アメリカだって、牛や馬を育てている「牧場」はranchです。

辞書では、Corralは「柵囲い」とあります。
西部劇によく出てくる、町をはずれたところにある、馬を囲っている場所でしょう。

木で柵が作ってあります。小屋もあります。
男たちが皆で、「それっ」とばかりに悪者を追いかけようというシーンでは、たくさんの馬を引き出してきます。
想像するに、今なら郊外巨大マーケット付属の駐車場、たとえばアウトレットの一角の立体駐車場みたいな感覚かなあ。

町に来て長い時間いる場合は、馬や馬車をそこに預かってもらう。
水や草をあてがってくれたりしたのでしょう。
ちょっとした馬の売買なども、そこであったらしい。
愛称なのか、商号なのか、「OK-Corral」と名前がついていたのでしょう。

もしかしたら、「高田の馬場」なんてニュアンスに近いかな、とも思います。

というわけで、アーンスト先生は、「I'm OK - not OK」「You're OK - not OK」の2軸で分析することを思いついたとき、映画の連想があり、できたグリッド(マトリクス)の形もちょうど柵囲いのようだというので、洒落っ気を持って、「OK-Corral」と名付けたのだと思います。
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by 50TEMPEST | 2011-04-29 15:32 | 日々の交流分析