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分社化の段取り

企業が分社化したり、逆にM&Aで買収して統合したりと、企業組織が再編されるのは普通になりました。
自分が入った会社が、先々どうなるかなど、わかりません。

事業単位に子会社化するのは、昔から珍しくありませんが、少し前にアウトソーシングという言葉が紹介され、スタッフ業務を子会社化することも珍しくなくなりました。
スタッフが「稼がない部門」だとすれば、グループ内でどう合理化するかは、企業にとり、以前から切実なテーマです。


私の知っている、ある実例です。

A社では、持ち株会社を残して、事業ごとの分社に再編しました。
スタッフ部門も、持ち株管理機能を除き、グループ内にサービスを提供しつつ、外販もする事業会社としました。

A社のすばらしいところは、グループ構成のデザイン。
各社で当然必要になる人事・給与システムも、スタッフ会社が共通に管理する構造にしたうえで、複数の異なる制度を扱える大型パッケージソフトを採用して、それをまずスタッフ会社に与えました。

これにより、各社は独自性を保ちつつ、システム投資なしに、そのコストをランニングコストにできたのです。
また、専門要員を養成する必要もなく、事業に集中できることになりました。

スタッフ会社は、それまでと同じハード環境のもと、計算基準(期間、項目、体系など)は各社ごとだとはいえ、同一ソフトで、つまり操作は皆同じという形で処理することになりました。
それまでのノウハウをベースに、分社化後の、人のマネジメントは容易になったわけです。


B社では、主事業はそのままに、比較的粒の小さい事業を子会社として切り出してゆくという手法をとりました。
ソフトランディングを第一にしたと言えるかもしれません。

スタッフについては、まず人事、総務、経理部門のうち、事業として成立しそうな業務を選び出し、それを子会社化しました。
少し間を置いて、システム部門も分離し、先にできていたスタッフ会社に移しました。

ホストコンピュータは親会社のものとし、人事・給与システムには手をつけませんでした。
その管理業務だけをスタッフ会社に請け負わせたわけです。

スタッフ会社を含め、それぞれの子会社は、自分たち自身の処理をどうするか、から考えなければなりませんでした。
システム投資も、自社でする必要がありました。

また、他の子会社に対しては、いちいち営業して獲得する必要もありました。
そんなこんなで、スタッフ会社が各子各社の制度やシステムを引き受けられるようになるには、かなりの時間がかかりました。

親会社のシステムはそのままですから、そのための要員もそのままです。
子会社の身丈に合ったシステムを管理する要員は別途必要になり、しかも互いのノウハウはあまり互換性がありません。

1社のための仕事を覚えれば、他社の仕事もできるようになるA社。
ホスト処理のチームとパソコン処理のチームとが併存し、今も、それぞれ別個にノウハウを蓄積しているB社。
結果として得られた合理化メリットの差は、どんどん広がっていると言えるでしょう。


実は、私が直接経験したのは、B社のほうです。
その時その時の判断の限界といえばそうなのですが、戦略的構想力の如何で、結果は大きく変わるのだと痛感したものでした。
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by 50TEMPEST | 2011-05-23 14:39 | マネジメントのアイデア