「さ、」という語感が好きです。
寄席で音曲師が、
「さ、ではお陽気に都々逸をひとつ」
というときの「さ、」です。
今なら
柳家紫朝さん。
よもやまの話をしていて、また唄に戻るなんてときでしょうか。
噺家でも、
「さ、では立ち上がりまして奴さんを」
なんて感じで使います。
先代の馬生師匠あたりが、にっこりして言うのが目に浮びます。
「さあ」ではダメで、「さ、」と短く軽く言うのが粋です。
ちょっと気分を切り替えるのに、
過不足なく、きりっとしていて、
こんな見事な表現もないと思っています。
ファシリテーションをする身として、この1文字にあこがれています。