現実療法の柿谷先生から、おもしろいお話を聞きました。
-------------------------
マーサーおばさんは、小太りのおばさんです。
仕事を引退して、毎日、朝の紅茶、午後の紅茶を楽しみながら、毎日暮らしています。
ある日マーサーおばさんは、散歩の途中、小川のほとりで金貨が一杯は入った壺を拾いました。
「おやおや、この歳で、私も金もちになったもんだよ」と喜びました。
襟巻をしばり、壺を引きずって歩きました。
途中、一休みしてみると、それは銀貨になっていました。
マーサーおばさんは、
「おや、そうだったのかい。金貨だと思ったら、銀貨だったんだね。
まあ、これでも毎日お腹いっぱい美味しいものが食べれるから、ちょうどいいわ」と喜びました。
しばらく壺を引きずって歩きました。
また途中、一休みしてみると、それは鉄くずになっていました。
マーサーおばさんは、
「おや、そうだったのかい。銀貨だと思ったら、鉄だったんだね。
まあ、これで盗まれる心配がなくなったから、ちょうどいいわ」と喜びました。
しばらく壺を引きずって歩きました。
また途中、一休みしてみると、それは石に変わっていました。
マーサーおばさんは、
「おや、そうだったのかい。鉄だと思ったら、石だったんだね。
生垣の扉がバタバタするのを抑えるのに、ちょうどよさそうだわ」と喜びました。
しばらく壺を引きずって、家に帰りつくと、石だと思っていたものは、笑い声とともにパッと消えてしまいました。
いたずらお化けだったのです。
、
マーサーおばさんは、「おや、そうだったのかい。いたずらお化けだったんだね。
アッハハハハ、この歳になって、いたずらお化けと出会えたなんてね」と喜びました。
-------------------------
人生には、色々なことが起こります。
変えられないこともたくさんありますね。
その現実を変えよう、変えようとするのも生き方です。
これはなかなか大変です。
苦しみ、痛み、挫折、落ち込み・・・。
うまくいかないと、他人を責めたり、運命を呪ったりしたくなります。
また、そのことに影響されまいと、力を入れてがんばるのも生き方です。
マーサーおばさんのように、変えられることと変えられないことを見極め、変えられないものは、それをそのまま受け入れて、柔軟な対応ができたら・・・。
ずっと楽に人生になることでしょう。
それもまた、生き方ですよね。