ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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生かされて生きている

日本画家の平山郁夫さんを扱った番組を見ていて気づいたことです。
平山郁夫氏と東山魁夷氏に大きな共通点があるのです。


平山氏は、少年時代に広島で被爆し、九死に一生を得ました。
その時に亡くなった友たちの、代わりの生を得たという感覚。
自分が生きることは、友たちもまた生き続けること。
彼は「生かされている」という思いを持つに至ります。

何を描くべきなのかを悩む中で、シルクロードなど、彼を特徴づける大きな風景を描くようになっていきます。
西洋画にもない、大きな大きな、悠久の時間を感じさせる風景の作品群。


東山氏は、戦争末期、爆弾を抱いて戦車に突っ込む訓練の日々に、生を思うようになりました。
やはり、何を描くべきなのかを悩んで信州の山暮らしをします。
そこで自然のあれこれの、季節の移り変わりに、人もそのひとつとして「生かされている」という思いを持つに至ります。

その過程を通して、彼を特徴づける清澄な風景を描くようになっていきます。
彼の風景画には、不思議な生命感があります。
風景を見ている画家自身の存在を感じさせ、そしてまた絵を見ている私たちは、その彼になりかわって見ているかのような錯覚を持ちます。


戦争という歴史が、人生に大きな力をかけたこと。
少しニュアンスは違うのかもしれませんが、「生かされている」という思い。
描くべきものの探究の中から、個性の強い風景画の境地を拓いたこと。
それがほぼ同時代の日本画という土壌に花開いたこと。

人間の生き方として、学ぶべきものを感じました。
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by 50tempest | 2012-06-14 10:15 | 見て聞いて考えた