キャリアカウンセリングでは、仕事選びのフレームとして、興味、能力、関心の3つで考えることをします。
私自身も、その面から考えました。
◆興味…仕事にどの程度興味を感じるか、どんな興味を感じるか
会社勤めを続けて、起きてくるだろうことに、興味を感じることがあまりできませんでした。
ひととおりのことは経験した感がありました。
立場が上になるほど、調整的な仕事が多くなりますし、当時の雰囲気では、消極的な方向での調整が中心とも見込まれました。
組織やヒト・モノ・カネを動かすこと自体が好きという人もありますが、私はそうではありませんでした。
独立については、講師になる上で、教えること、育てること、話すこと、演じること、そしてそのことに自分の体を使うことは、とても楽しく感じられました。
そのために自分自身が学ぶことも楽しいことでした。
◆能力…必要となる力を持っているか、それは競争力があるか
勤めを続けるなら、ある意味慣れた仕事です。
独立ついては、それまで見てきた多くの講師さんを思い起こすと、自分自身がそれまで色々と身につけてきたもので何とかなると思われました。
特に、自分がやってきたワークショップ形式で受講者から引き出しながら進めるスタイルは、一応のレベルだろうと思いました。
もちろん、このあたりは、独立後に未熟さを思い知らされるのですが、多少根拠は薄くても楽観的に考えなければ始まりません。
講師になりたくて、あれもこれもと学び続けているものの、結局飛べていない方に出会ったことがあります。
◆関心…その仕事に意義を感じるか、自分がする上でどんな意義を見出せるか
会社に勤め続けるなら、リベラルな幹部として、会社をよりよくすることはできたでしょう。
ただ、当時の会社の状況を考えると、55歳の私があるポストを占めるより、もっと若い人に積極的に経験を積ませるほうが得策だと思えました。
独立については、自分が学び、経験したことをお伝えするのは、世の中にもお役に立つはずと思いました。
人の生き方としても、教えてもらう立場から、それをお返しする立場になるのは意味があると思えました。
私が会社に入った当時、定年が55歳でしたから、その意味でも、立場を変える節目としては適切だと考えたわけです。