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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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マナーの疑問 その2 ・・・乗用車に乗る

タクシーやハイヤーに乗るとき、お客様にはどこに乗っていただくか。

説明のしかたに関心があるので、マナー本はたくさん読んだが、筆者が本当に経験をふまえて書いてるのかしらと思うことは多い。
すべてのマナー本に出ているのは、運転手の真後ろ(国産車を前提として)が最上席という説。でも、本当はおかしいと思う。なぜなら、エライ人は奥に這い込まなければならない。

大先輩の佐藤寛先生の説では、日本では運転手の左後ろの席。建物を出て、すぐ乗り込める席が上席だから、左側通行の日本では、左後ろとなる。運転手の真後ろは2番目の席であり、そちらサイド(道路側)の扉をあけて次の方をご案内する。たぶん一流ホテルのドアボーイはそうするのだろう。もともと、日本ではそうなっていたのが、戦後にアメリカ式をそのまま取り込んだので、おかしなことになったそうだ。

確かにそうだと思う。ただ、確認の必要があると思うのは、他の左側通行の国ではどうか、ということだ。アメリカ式が世界標準であるならぱ、不便を承知でそちらにそろえるのは、やむを得ないかもしれない。外国人と同乗することがありうるからだ。
建物側という覚え方をしてしまえばよいのに、車内の絶対位置で決めようとするからおかしくなるのだが、ただ、そうしたことに何か事情があったのだろうかと思うのだ。

私の経験でもけっこうワガママな人が多く、俺はこっちがいいよと建物側を選ぶ(目下の者を先に乗せる)ケースはよく見る。この席なら足元を広くもできる。

私は、馬車から降りてくるお姫様をイメージさせた上で、車寄せの回り方で決まるのだから今の日本式はおかしいのだが、どちら側通行かの大勢にしたがっているのだと教えている。

もうひとつ注意が必要なのは、後席の真中が序列3番目で、助手席は4番目と書いてある本が多いことだ。みんなが自社の人間ならそれでいいが、お客様と同乗する場合もあるから、実は簡単ではない。
研修ではクイズ形式でやるのだが、お客様と自社側と混じった状態で4人の場合、どうするのが正解か。
私の答は、「もう1台用意しろ」である。

マナーが人との間で摩擦を起こさないようにする手順であるなら、大事なのはハウツーより気持ちだ。講師たるものハウツーを教えて終わりではない。
by 50TEMPEST | 2005-05-26 07:57 | 仕事の記録