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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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ともに白髪の・・・単身赴任を楽しむ(番外)

平成3年から2年間、大阪で単身赴任しました。わずか2年間とはいえ、とても凝縮した時間であり、私の人生にとって収穫も多かったと思っています。シリーズで思い出をまとめます。
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●家族関係
転勤が会社生活の付き物として考えるとき、家族の問題がつきまといます。夫婦関係、子供の学校、持ち家の始末、などなど。帯同にしろ単身にしろ、対処すべき問題は出てくるわけです。
ただ、概して、この波を乗り越えることで家族がまとまるということは多いだろう思います。私の場合も、結果としてプラス効果を感じています。夫婦ともども、それぞれ互いの存在の大きさを確認できたと思っています。

ぢいさんばあさん
東京に戻って何年もたってからですが、歌舞伎座でこの芝居を見ることがありました。今風に言えば「単身赴任」中にトラブルに会い、37年戻れなかった侍とその妻の話です。配役は、夫伊織が勘九郎(当時)、妻るんが玉三郎でした。筋はリンクで読んでいただくとして、このとき私は異常な感動を覚えたのです。
お互い70歳を超えて元の家で再会した2人、よもやまの話をします。
るんは、「旦那様、ほめてくだされ」と、大名家の奥女中を長く勤めた、いわば表彰状を見せます。
伊織は「わしのほうは見せるものがないな」と言いながら、ふと思い出して取り出したのが、赴任のときに妻が持たせてくれたお守りです。伊織は37年肌身はなさず身に着けていたのです。
この場面で私の涙は止まらなくなりました。どちらかというと涙もろい方ですが、そんなものではない、しゃくりあげるほどです。隣を気にしながらも、ハンカチを顔に押し当て続けました。
さて翌朝、見なかった妻にその話をしたのですが、ストーリーがあの場面まで来ると、またこみ上げてきて、話し続けられなくなってしまいました。

●単身赴任
「ぢいさんばあさん」にしろ「5つの銅貨」にしろ、「単身赴任」と「子供(とりわけ女の子)」は、どうも私のスイートスポットになったようです。自分で気づかないうちに、ある種の感情を押し殺していたのかもしれません。
とはいえ、「単身赴任は家族にとって望ましくないから、やらないほうがよい」とは考えません。むしろ今の時代、帯同にこだわるべきでないと思います。
転勤も人生のスパイスのひとつであり、要はそれを乗り越える姿勢なのだと思います。
また、今そう思えることについて、妻への感謝と、幸せを感じています。
by 50TEMPEST | 2005-05-30 07:24 | 転勤プラス発想適応法