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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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氷山思考1・・・子供に自信を持たせたい

まず上がとがった二等辺三角形を描いてください。
その、上から1/4ぐらいのところに、底辺と平行に(つまり横に)波線を描いてください。
三角形が水面上と水面下に区切られたことになりますね。
この図から何が考えられるか世間をのぞいてみましょう。
           *        *
近頃、とても自信のない子がいます。
その親御さん(とりわけお母さん)は、たいてい大学出です。優秀でしっかりした方が多いようです。
「○○ちゃん、どうしたの。こうでしょ」「○○ちゃん、何々の時間でしょ」。
子供が自信を持たない理由は、子供に環境を整えてやる一方で、どうもお母さんが日々のコミュニケーションの中で子供の返答を待たないのではないかと感じられます。こういう会話を繰り返していると、どうせお母さんが答を出してくれるからと、子供は考えなくなります。フィードバックが帰りませんから、思いついた答にも自信が持てなくなります。
           *        *
三角形の水面下を「(生活の)知恵」としましょう。それに対して、水面上はそれが抽象化、体系化された「知識」としましょう。

私の親を含めて、昔の親は大学を出ていませんでした。アカデミックな知識は教えることができませんでしたが、折にふれて知恵は教えてくれました。あとは放っておきました。
そこで、子供は自分で考えました。友達同士で教えあいました。それには間違いもいっぱいあったけれど、少なくとも考え、伝え合う力にはなりました。

今は誰もが大学出。大学出の親は基本的に知識にあこがれます。学校で、整理された知識を与えられてきましたし、周りが大学なんか出ていない時代は、少しでも知識を得た子供は認めてもらえました。その知識が実生活とどう関わるかは別として。
忙しい時代です。誰もが高効率に活動しています。子供にはもっとチャンスを与えてやりたい、自分でもここまで来たのだから。
投げかけた質問に子供がまごつくと、親はついつい答を与え、選択肢も決めてしまう・・・。

知識という形に抽象化、体系化することで、人間が大きな知的発達を遂げたのは間違いないでしょう。しかし知恵という土台を失った知識ばかりが肥大すると、日常のレベルではいろいろ問題が起きるようです。
親が子供と会話すること、自分の人生を語ること、子供を信じてまかせること、まずはそんなことからやり直す必要があると思います。
by 50TEMPEST | 2005-07-09 07:24 | 氷山思考