時代劇の兵隊たちがおそろいの具足を着て集団機動をやること。
あれはひどい。史実ではない。武士は自前の具足で戦場に出るのだし、手柄を認めてもらう必要上、目立つ工夫をこそすれ、わざわざ没個性に装うわけがないのです。
色をそろえただけで、たとえば「井伊の赤備え」とうたわれたほどなのです。まして集団機動は幕末に洋式調練が導入されて、はじめて持ち込まれたものです。
あのスタイルは黒澤明監督が「乱」で使ったものかと思います。あれは一の城、二の城、三の城の兵を色分けすることに意味があったのです。富士の裾野の黒い土の上で、集団が一糸乱れぬ動きを見せる美、主役をくっきりと浮き上がらせる美に意図があったのです。
スターウォーズの白いドロイド軍は、そこを真似たのだと思います。
ところが最近はNHKでも何でも、おそろい具足です。同じものを作ればいいから、コストダウンにはなるのでしょう。
ちゃんとわかった上で、演出意図があるならいいのです。昔の戦闘もそういうものだと思い込んでるとしたら、大きな誤解なのです。
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