ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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一座高うはござりまするが

今年は坂田藤十郎、去年は中村勘三郎、このところ歌舞伎座の正月は襲名披露興行が続きます。襲名披露では、幹部がうちそろっての口上が楽しいものです。
思い出すと、去年の初日の玉三郎の口上は秀逸でした。
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坂東玉三郎にござりまする。
このたびのご襲名、まことにおめでとう存じまする。

新・勘三郎さんのお父様、十七代目の中村屋の小父様と、わたくしの父とは大変仲良しでございまして、舞台に対する教えもよく似てたと思います。

新・勘三郎さんが勘九郎だった時代、二十代だったと思いますが、わたくしに、「兄さん、僕は一生、勘九郎でいくからね」ってお話していたんです。
わたくしも、「じゃあ、自分も玉三郎でいくから」と言っておりましたんです。

三年ほど前に、「兄さん、僕、十八代目を名乗ることになったんだ」というご報告を受けました。いよいよ、本当にそういう時がやってきたんだなと、感慨無量でございました。

「おめでとう」と言いたかったんですけれども、ちょっとその前に冗談でなじってやろうと思いまして、「どうしちゃったの?勘九郎から勘三郎になるなんて、六つも数が減るじゃないの」と言ったんでございます。
そういたしましたら、勘三郎さんちょっと詰まって、「でも、三郎が一緒になるからいいでしょ」と言ってくれたんでございます。

新・勘三郎さんには、ますます、すばらしい未来の歌舞伎を作ってくださることを、わたくし夢見ている次第でございます。

十八代目はもとより、二人のご子息様、ご一門の方々、いずれも様にはますますご贔屓お引き立てのほど、不肖わたくしよりもひとえに、お願い申し上げ奉りまする。
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日頃仲もよく、ともに芸熱心で聞こえた間柄だけに、心のこもった素敵な口上でした。
去年は、玉三郎以外の役者たちの口上も、思い出話あり、チクリあり、次第に場が盛り上がるのが感じられました。襲名する当人の人柄が反映するのでしょう。
そこにいくと今年は、偉い人だからか、日頃あまりお付き合いがないのか、全体にさらっと終わってしまったように思いますね。


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by 50TEMPEST | 2006-02-04 14:59 | 歌舞伎,オペラ