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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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クリスマスの絵本の会話 …やりとり分析

交流分析入門「やりとり分析」の研修に、仲澤宏一さんのブログ「司会のウラワザ」から、下記の記事(クリスマスの絵本の会話)を試みに教材として使ってみました。女性の受講者が多いと、とても好評が得られます。
仲澤さんには、厚く感謝します。
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先日電車に乗っていて、ある親子の会話が耳に入ってきました。
クリスマスの絵本でも読んでいるのでしょうか、4,5歳の女の子とその母の会話です。
子『わーきれい!』
母『わーほんと、きれいだねぇ』
子『このツリーうちのと似てるね』
母『あっほんとだほんとだ、よく気が付いたわねぇ、うちのツリーとよく似ているわねぇ』
子『サンタさん、今年は何プレゼントしてくれるのかなぁ?』
母『サンタさん、今年は何をプレゼントしてくれるのかなぁ?』
子『サンタさんてほんとにいるのかなぁ?』
母『ほんとにいるのかな? ○○ちゃんはどう思うの?』
子『私、いると思うわ!きっといると思う』
母『そうね、きっといるわね!今年も○○ちゃんのところにサンタさん来てくれるのね、
  クリスマス楽しみだね!』
子『うん、クリスマス早く来ないかなぁ』 

もし次のような会話だったらどうでしょうか・・・?
子「わーきれい」
母「・・・」
子「このツリーうちのと似てるね」
母「そうかしら?」
子「サンタさん今年何プレゼントしてくれるのかなぁ?」
母「さぁ、そんなこと分からないわ」
子「サンタさんてほんとにいるのかなぁ?」
母「さぁそれもママには分からないわ」
子「私、いると思うわ、きっといると思う」
母「じゃぁそう信じたら」
子「ウーン、もういい、ママとお話、もうおしまい」
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これに関連して受講者から質問メールが来ました。本人の了解を得て、ご紹介します(主旨に沿って一部手を加えてあります)。

質問者:
私はA的な発言が多い、と自分では思っています。
会社ではそれもいいですが、先日のお話を聞いて、自分が家庭や地域で小さい子供としている会話を思いだしたら、ちょっとドキッとしてしまいました。
子供から問いかけられたとき、無意識に答えていましたが、日ごろの自分の傾向から考えると、子供の C⇒NP の問いかけに対して NP⇒C の相補交流で返すというより、もしかしたら A⇒A でしっかり交差交流していたのではないかと思えてきました。
そうだとしたら、例題の”クリスマスの絵本”の後半のようで、非常に問題なのですが、どう考えればいいでしょう。

私:
子供から C⇒NP(子供心から母心へ)で問いかけられ、A(大人心)がらみの感じで(A⇒CとかA⇒A)いつも返していたら、たしかに交差ですね(交差の程度は少ないとしても)。頼ったり甘えたりしている子供に対して、理が勝った返事をしがちということですから。
ただ、実際には裏面で心が通じているのでしょうし、子供が甘えるというよりも具体的な答を求めて頼ってきたような場面なら、C⇒AとA⇒Cの相補交流でしょうね。

私も自分のことをふりかえれば、「親が教えなければ」という思い込みのなかで、教えまくってた気がします(その点ではAがらみが多かったかも)。勉強して知ったのは、特に幼いときは甘えさせること(甘やかすことではなく)がとても大事だということです。子供が、世の中や人生に対する肯定的なスタンスを作れるかどうかは、そこにかかっています。きちんと相補交流で返してあげることで、子供は自分が受け入れられていると感じるのです。「クリスマスの絵本」の会話はそういう意味でご紹介しました。
お子さんがある程度成長したら、今度は NP⇒A(母心から子供の理性の部分へ)で、「そうかあ。で、お前はどう思うの?(絵本の会話にもちょっとありますね)」といった対話が大事になりますね。
ただし、その頃でも子供が落ち込んだり悩んでいる時は、「クリスマスの絵本」の形に戻るのがいいと思います。

いずれにしても、「そ~ぉ」とか「そうだねぇ」といった言い方がポイントです。
子供が言って来たことに対しては、「いや、正しくはこうだ」と言ってしまうのではなく、「そうかぁ、お前はそう考えたのか」といったんは受け止めることです。その上で、違う答を考えさせたり、訂正したりするといいでしょう。
親が何かと忙しくなり、心を受け止めてくれる会話が減っていることが、登校拒否などにもつながっていると思います。共働きの方(予備軍の皆さんも含め)はそのあたり、ちょっと心配りしてもらえるといいのでは。

質問者:
お答ありがとうございました。反省と救いです。
本来、子供に甘えさせることが大事なのに、”実際には裏面で心が通じている”はず、と子供の方に甘えている行動になっていました。
でも、ある程度成長したら NP⇒A の対話も有効になると知り、それならば自分にも、あまり無理をしなくても自然体でやっていけそうです。
考えてみると今の状態は、A⇒C くらいかなと思います。何が何でも NP⇒C にしようと思うと、難しく感じてしまいますが、NP⇒A もあり、なら無理なくやれそうで希望が見えてきました(こんな発想は図式化ならではですね)。
「そうだねぇ」と受け止め、時には”クリスマスの絵本の前半(良い会話バージョン)”で心が通う会話を心掛けます。

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by 50TEMPEST | 2006-03-25 07:24 | 仕事の記録