ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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たかり と かたり

変装を見破られた弁天小僧のセリフです。

知らざあ言って聞かせやしょう。
浜の真砂と五右衛門が、
歌に残せし盗人の、
種は尽きねえ七里ヶ浜、
その白浪の夜働き、
以前を言やあ江ノ島で、
年季勤めの児ヶ淵、
江戸の百味講(ひゃくみ)の蒔銭を、
当てに小皿の一文字(いちもんこ)、
百が二百と賽銭の、
くすね銭せえだんだんに、
悪事はのぼる上の宮、
岩本院で講中の、
枕捜しも度重なり、
お手長講を札付きに、
とうとう島を追い出され、
それから若衆の美人局(つつもたせ)、
ここやかしこの寺島で、
小耳に聞いた祖父さんの、
似ぬ声色で小ゆすりかたり、
名さえ由縁の弁天小僧菊之助とは俺がこった。

       *      *

先日、この「小ゆすりかたり」が、「小ゆすりたかり」になっている本を見つけました。
著者に校正もれを教えてあげようとメールを書いていて、ふと、これは校正もれではなく、思い込みなのかもしれないと気づきました。
つまり、小の字を取ると「ゆすりたかり」という言葉になって、これはこれで使われる言葉だからです。

一般にはともかく、歌舞伎には「かたり」という言葉はよく出てきます。つまり詐欺ですね。
耳から覚えていると間違わないのですが、目から覚えると、よく使われる「ゆすりたかり」のほうに引っ張られるということでしょうか。

念のため、インターネットで検索してみたら、あるある。
「小ゆすりたかり」と引用している文がたくさん出てきて、私のほうが間違えてたかなと不安になってしまいました。


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by 50TEMPEST | 2006-09-28 19:06 | 歌舞伎,オペラ