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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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プレゼンの「地力」

先日、プレゼンの「地力」養成セミナーを開催しました。
ご参加の皆様ありがとうございました。

プレゼンというあらたまった場に限らず、普通の方でも、いま人前で話す機会
は多いですよね。そんな時バッチリ決められれば、株は上がるというものです。
でも、それが苦しいという方がけっこう多いのも事実。

このセミナーは、プレゼンテクニック以前のところ、「声」と「言葉」に力を
つけることで、人前でしっかり話せるようにしようというものです。
私がやってきた朗読などの手法を応用して、楽しみながら学びます。
今回は、このセミナーについて、私の背景などをご紹介します。

自分の声を聞いたことがありますか?自分のイメージと違うことに皆さん
驚きますね。
私が最初にそれを経験したのは小学校4~5年の頃。何人かの子が自作の詩を
読み、テープにとって校内放送で流すという行事がありました。

録音なんて初体験ですからね。緊張してとり終え、放送を待ちました。
「ン?…きこえない!?」。私の順番になって、ラジオから流れてきたものに
耳を疑いました。注意して聞くと、何かボソボソと言ってはいますが…。
この恥ずかしい経験が、声についての私の原点でしたね。

高校から大学時代、サークルは落語研究会でした。
壁に向かって大声で話す「声を吹っ切る」練習をしました。おかげで1時間は
平気で話し続けられるようになりました。
間の感覚、「場」をつかむ感覚も身につきました。人前で話すことにも慣れました。
ちなみに得意ネタは「野ざらし」「花筏」「三十石」などなど。

ラジオに出たりもしましたが、実は自分の声を聞くのは嫌でした。
声に締まりがないことと、セリフが情感を思うように表現できないことから、
まずいなあと思っていました。

会社に入って何年かたち、採用担当をやりました。学生さんたちを前に会社説明
をします。
驚いたのは、声がすぐ出なくなってしまい、それとともに話すエネルギーもなく
なることでした。落語研究会の経験があっただけに、愕然としました。
発声が不自然になっていたのですね。

中年からオペラを観るようになりました。ある時、劇場の一番後ろの席で、
テノールの歌で身体が揺さぶられる体験をし、「ああ、これが声の力だ」と感動
しました。
「身体を楽器として使う」というのはどんな感覚なのか、関心も芽生えました。

50歳をすぎて朗読を始めました。
声出しをし、表現として読むことを続けるうちに、昔と違う声が出るように
なってきました。自分でもボイストレーニングや演劇関係の本を買い込み、
自分に向きそうなトレーニングを試しました。身体に響かす発声もだんだん
わかってきました。

おもしろいことに、そうするうちにちょっとした商談などにも余裕が生まれて
きたんです。これは自分でも不思議です。
声が出ることって、コミュニケーションの根幹なのでしょう。

そんなわけで、歌手の声量やアナウンサーの滑舌を目指すのでもない、ビジネス
パーソンが日常レベルでしっかり話せる土台を作るというセミナーができました。
簡単に声が出るようになるトレーニングと、楽しみながら言葉に表情をつけて
いくワークが中心です。ご希望に応じて、リラックスの方法なども伝授できます。

このトレーニングを続けると、人前で自分らしくしっかり話せるようになります。
さらに、ふだんのコミュニケーションも楽になります。

人生って無駄はないものですね。色々やってきたからこそ生まれたこのプログラム。
今後は、私の表看板である交流分析とも関連づけていきたいものです。

                 …心に届け!コミュニケーション No.11 より
by 50TEMPEST | 2007-12-10 18:10 | 他に書いた記事