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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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採用面接

この季節は、リクルートシーズンです。
あちこちで面接試験が行われていることでしょうね。

私の面接の思い出を少し。
最終面接で、恐そうな面接官が聞いてきました。

面  成績は何番?
私  (こんな質問は初めてで、すっかり面食らいました)
   あの・・・、順位は発表されていませんので、わかりません。

面  だいたいどのへん?
私  まあ、真ん中やや上ぐらいじゃないかと思います。

面  あんまり勉強しなかったのね?
私  普通にはしてきたつもりですが・・・。
   法科ですから、図書館にこもって司法試験の勉強をしてる者もいました
   が、私はサークルもやりたかったんです。
   おかげで色々な経験が、 (まで言ったところで)

面  落語がおもしろかったということね。
私  ・・・、まあ・・・、そうです。
   (で、ものの数分でおしまい)


これをお読みの皆さんが、もし受験者だったらどう感じますか?

成績を聞く。最後まで話させない。予見を持って接する。
物の本にはNGとされていることばかりですね。

私は、話をさえぎって断定的なことを言われたことで、とても嫌な気がしまし
た。

30年以上も前の話ですが、今だって、こんな調子の面接官は珍しくないんじゃ
ありませんか。

結局、日頃のコミュニケーションスタイルが顔を出してしまうのですね。


その後、私自身が面接官をやるようになったときは、とにかく相手に話させる
ことを心がけました。

学生さんはせっかく準備してきているのだし、落ちたとしても、ベストを尽く
した感触があれば納得できるでしょう。
何と言っても、将来、お客さんになる可能性もありますからね。

ただし、面接を通して、話そのものをちゃんと聴いていたかとなると少し違い
ます。話そのものというよりは、話す態度などを見ていた気がします。


さて、面接の大事な目的は、「採るべき人を採る」ことです。
その点で、冒頭でご紹介した面接官のやり方は、はなはだ問題ありです。

では、私のほうはどうだったか。

実は、たいした違いはなかったのかもしれない、と思っているのです。
相手が言おうとしていることを、しっかり汲み取れてはいなかったように思う
からです。

そう考えるようになったのは、近頃カウンセリングのトレーニングをしている
せいなのですが。


そして、忘れられがちですが、面接にはもうひとつ目的があります。

それは「採るべきでない人を採らない」ことです。
こちらのほうが大事な場合もあります。

ちなみに、この面接で、私は内定をいただきました。

だからというわけではありませんが、冒頭の面接官が、ひとつの経営判断とし
て、話の内容よりは自分の眼力と肌感覚でしっかり最終決定されていたのなら、
いちがいに否定はできないと思います。

コミュニケーションスキル的にはどうであれ、問題かどうかは、目的に照らし
て判断されるものですね。


                   …心に届け!コミュニケーョン NO.15より
by 50TEMPEST | 2008-04-05 07:23 | 他に書いた記事