むずかしい話を持ち込まれて、その場では決めかねることがあります。
また、他部門や上層部など、自部門の外との連絡や打診を依頼されることがあります。
「じゃ考えておくから」
「言っておくから」
私は、12で書いたように、答を出したがっていました。
つまり、責任を引き受けたがっていたのです。
テキパキと指示する自分。それを受けてテキパキと動く部下。
頭にそんなやりとりのイメージが浮かんでいます。
責任の分担がはっきりした組織で、モチベーションの高い部下ばかりなら、それもいいのですが、実際にはそうはいきません。
ある時、たくさん抱え込んで、アップアップしている自分に気づきました。
追って指示すると言った案件、読んでおくと言った書類、伝えておくと言った上へのメッセージ…。
「なぜ俺だけ毎日遅くまで残って仕事を片付けているんだ?」
そんな時出会った本が「1分間マネージャー」ケン・ブランチャード著です。
まったく同じケースが書いてあり、そうやって引き受けた時、モンキーがマネージャーの肩に飛び移るのだとありました。
私の肩もモンキーだらけになっていたのですね。
まずいのは、そんなやり方をしていると、部下が依存してくるようになることです。
それでは困ります。負のスパイラルが起きます。
リスクをとって、自分の領分を広げようとするからこそ成長していくのですから。
というわけで、マジックフレーズ。
「で、君はどうしたい?」
その上で、
「よし、じゃ、それで進めて」とか、
「他の手は考えられないか」とか、
どんどん考えさせ、任せてしまえばいいのですね。