きのうの一歩があるから、今日があるのですね、ちょっと大げさですが。
ささやかな例を…。
先日、友人と「ラブ・レター (浅田次郎作)」を朗読する機会がありました。
ふたりとも何を朗読しようかとなったとき、せっかくならコラボしようとなったのです。
「ラブ・レター」は、その友人が前に練習していたものでしたが、私は初めてでした。
小説を読んだり、ドラマを見たりした方も多いことでしょうが、泣かせるお話です。
少し前なら、やろうと思わなかったネタでしょう。
情感を表現するのが、なかなか手ごわい作品ですから。
でも、やってみようと思えたのは、これまで浅田氏の短編をずいぶん読みあさってきたからです。
そしてまた、そうしてきたのは、「ろくでなしの三太」に、朗読として取り組んだのがきっかけです。
そのことを、ある人に話し、その人が手持ちの本を貸してくれ、そのことから「姫椿」に取り組むことにつながり…。
そうこうしながら技量も蓄積したし、親近感もわき、作家として好きにもなったというわけです。
つまり、ひとつの経験から、色々と変化が起きたということですね。
おかげで、今回自分なりのステップを刻むことができました。
人生の出来事って、そんなものかなと思うのです。
あることは、その前の何かがあって起こり、それはまたその前の何かがあってこそ…。
私は、ある目標を定め、そこに向けて着々と進むことが、どちらかといえば苦手なほうです。
しかし、好奇心にまかせ、あるいは自分なりのこだわりにしたがって進んで来て、けっこう面白く生きられていると思っています。
それは、やはり興味のわくままに、何か一歩やっているからです。
ああ、あれをしたから、今のここにつながっているなあと感じることが、よくあるのです。
また、そうしていると、似たような人との接点も増えてくるように思います。
さて、2009年は、あっという間に過ぎた気がします。
本を書くという目標はクリアできませんでしたが、それ以外はまあまあというところ。
2010年は何が起こりますか。
楽しみながら、生きていこうと思います。