ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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カテゴリ:氷山思考( 39 )

氷山思考39 地と図

まず上がとがった二等辺三角形を描いてください。その、上から1/4ぐらいのところに、底辺と平行に(つまり横に)波線を描いてください。三角形が水面上と水面下に区切られたことになりますね。

人の前に起こることを、人は瞬間瞬間で認識します。
その時の関心に応じて、とらえることになりますが、とらえきれないものは、まったく切り捨てているかというとそうではないと思います。

ゲシュタルト心理学に、地と図という考え方があります。
何かにピントが合ったら、その人にとっては、そのことだけがすべてになってしまう。
それ以外は見えなくなってしまうものだ、というのです。

知と図は心理的な面の考え方で、出来事の意味づけのことを言っているのですが、実際にもたくさんの情報を五感でとらえているのだと思うのです。

つまり、体全体をアンテナにして、とらえてはいる。
けれども、意識の上では見てはいない、という部分が圧倒的に多いのでしょう。

それが、何かの拍子に思い出されることがあります。

コロンボや杉下右京のように、
「細かいことが気になる性分」の人は、
他人が意識から外したちょっとしたことを記憶できるのでしょう。

英国製の、新しいシャーロック・ホームズのテレビシリーズでは、ホームズが記憶をたどりながら細部を思い出していました。
ホームズのように、そんなことが意識的にできたらおもしろいなと思います。
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by 50tempest | 2013-04-22 07:05 | 氷山思考

氷山思考38 メンタルヘルスケア

まず上がとがった二等辺三角形を描いてください。その、上から1/4ぐらいのところに、底辺と平行に(つまり横に)波線を描いてください。三角形が水面上と水面下に区切られたことになりますね。

メンタルヘルスを考えます。

水面上は、うつのような病気を発症した方とします。
水面下には、病気未満の方から健康な方まで、ずっと裾野が広がるわけです。

はじめの頃、メンタルヘルスのテーマは、早期発見、早期対処でした。
もちろん何の病気でも、早期発見、早期対処は大事で、それが早く治ることにつながりますから。

たいていの病気は、患者が具合が悪いと申し出てきます。
また、一斉レントゲン検査などすれば、病気の人は見つかります。

けれども、メンタル不調は多くの場合、そうなりません。
そこで、見つける役目が上司たちに与えられます。

うつはこんな症状を呈するから、上司は部下たちをよく見ていて、早く見つけなさい。
そして医療に乗せなさい。

しかし、それは医者の発想です。
現場は、そう簡単ではありません。

あなたは病気だということは、色分けすること。
腐ったリンゴを箱から取り出すといったイメージがつきまといます。

本人は嫌がります。
何か言われた当人は、モチベーションが下がります。

そもそも見つけることは簡単ではありません。
人間は、一気にバタリとメンタル不調になるわけではありません。

水面上に顕在化した「病気」状態の下には、
なりかけ⇒やや不調⇒やや健康⇒とても健康と、裾野が広がります。

典型的な症状を呈するレベルで、もう早期発見ではないのです。
また、かなり具合が悪くなっていても、本人はがまんします。隠します。

そもそも、素人にはなかなかわからないのです。
言葉でいくら症状を聞いたとしても、それがそうだとは、言えるものではありません。

ですから、産業現場のメンタルヘルスのテーマは、早期発見よりは、予防でなければなりません。
結核を追放できたのは、一斉検診で早く見つけただけでなく、衛生環境、栄養、教養などが向上したこと、つまり健康状態がよくなったおかげなのです。

メンタルヘルスにつながるような環境要素を減らし、ストレス対処を身につけ、体力を上げていくこと。
健康を向上することで、水面のラインを上げていく、これこそが必要なことと考えています。
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by 50tempest | 2012-11-22 07:03 | 氷山思考

氷山思考37 営業活動

まず上がとがった二等辺三角形を描いてください。その、上から1/4ぐらいのところに、底辺と平行に(つまり横に)波線を描いてください。三角形が水面上と水面下に区切られたことになりますね。

営業活動をするとき、三角形をイメージすることがあります。
受注できたものが、水面上です。

受注できていないものは、水面下です。
裾野に近くなるほど、受注にはまだ遠いことになります。

しかし、どうなるかわからない程度の案件をたくさん持っているかどうかが、営業マンとしての力です。
また、仕事を楽しくするツボなのです。

「もしかしたら仕事になるかも」程度のネタを増やすには、好奇心旺盛でなければできません。
しかし、色々なことに関心を持って食いついていくことは、それ自身楽しいことなのです。

そして、そこに自分が持っているものをどう提供できるかと考えて、相手方に伝えていく。
それが「仕事を作っていく」感覚です。
この味を知ると、ほんとうに楽しくなります。


物件単価が小さいものを扱っている方は、案件数がたくさんないと話になりませんから、裾野から水面上にという、三角形で考えることは常識かもしれません。
しかし、私の育った建設業界では、必ずしもそうではありませんでした。

案件が、高額で少ないので、ひとりの担当者が持つ案件は数件です。
それを取るために、人脈やら何やら、いろいろさぐります。
技術的な提案もします。
1件あたりにかける時間が長いのです。

また営業は「行くべき先のリスト」が必要ですが、案件が少なくても、絡む人は多いので、そのリストは「ある」わけです。

数が少ないので、案件の三角形をイメージするほどではないのでしょうね。
また、先輩から、裾野レベルから受注の確度を上げていくのだ、とは教わらないようでした。

後に、私が異業種をやろうとしたとき、営業マンが必要だからと、既存の人に営業をやらそうとしたら、どう動けばよいか見当がつかないという事態がおきました。
私は、一口に「営業」とは言えないのだなと、学びました。
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by 50tempest | 2012-11-20 12:03 | 氷山思考

氷山思考36 2007年問題はどうなった

まず上がとがった二等辺三角形を描いてください。その、上から1/4ぐらいのところに、底辺と平行に(つまり横に)波線を描いてください。三角形が水面上と水面下に区切られたことになりますね。

三角全体を組織にある知としましょう。
水面上になっている部分を形式知、水面下は暗黙知です。

2007年問題が言われた時、最大のテーマは定年で去る人の持っているものをどう受け継ぐかでした。

果たして、そのテーマはうまくいったのでしょうか。

近頃定年になった人は、高度成長期を支えてきた人と言っていいでしょう。
日本が、技術立国などと言われて元気になった時、その技術を生み出した人です。

また、手の技術から機械化へ、アナログからデジタルへ、という転換を経験してきた人です。
だから、どっちもわかる貴重な人です。

もう過去の技術として、切り捨てることのできる業界もあるかもしれませんが、私の育った建設業界などでは、ほんとうに貴重な財産です。

ただ、その知を継承するのは、簡単ではないかもしれません。
まず、見えるものにする必要があります。

氷山思考で言えば、水面を下げて、表に出た部分を大きくする作業と言えます。

あれから5年たちました。
再雇用などで、在籍を伸ばしたのはよいとして、その期間をちゃんと継承に充てられたのでしょうか。
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by 50tempest | 2012-11-07 20:15 | 氷山思考

氷山思考35 うつは増えたのか

まず上がとがった二等辺三角形を描いてください。その、上から1/4ぐらいのところに、底辺と平行に(つまり横に)波線を描いてください。三角形が水面上と水面下に区切られたことになりますね。


うつは、間違いなく増えていると思います。
理由はふたつです。

ひとつは、いわゆる「新型うつ」が出てきたからです。
これは、うつと言えるのかという議論がありますが、定義的に言えば、うつなのだそうです。

原因とか対策とか、考えるべきことはあるとして、これは大きくは定義の問題です。
ある定義が定まったことで、とりまいていた少し違うものが含まれることになった。

新型うつをくくり出そうとするなら、その定義を作ればよろしい。
別物として扱うべきだという先生も多いようです。

もうひとつも、定義にからみます。
うつというものの定義が明確になり、話題にもなり、それまではグレーゾーンとして表に出てこなかった(以前からあった)人たちに、うつとして光が当たったということです。

つまり水面が下がったわけです。
防衛大学の野村教授の講演でうかがって、なるほどと思いました。


たしかに、何事もそんなことってありますね。
言葉があてられると、その後一見増えるような現象が現れます(DVも児童虐待も・・・)。

そう考えれば、実は新型のほうも、「新型うつ」として言葉があてられたことで、グレーゾーンに光があたった面もありそうです。

私は、抜本的な対策がいつまでも見えてこないのは、重大な問題だと思っています。
クリニカルな専門家ではありませんが、どうも定義がよくないのではないかと思います。

今使われているのは、アメリカの基準です。
科学的には正しいのでしょうが、解決するべきことは何なのか見えてくるのが、ほんとうによい定義のように思うのです。
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by 50tempest | 2012-10-27 17:41 | 氷山思考

氷山思考34…感情を言語化する

いつものぞかせてもらっているktanizawaさんのブログに、彼女が「感情を言語化する」努力をしていることが出ていました。

すごいヒントをいただいたと思いました。

この氷山思考のシリーズでも、水面上のやりとりが小さく小さくなってきてはいないかというようなことを書きましたが、では水面下のやりとりとは何なのか、日常の対応としてどうすればよいのかについては、自分の中でうまく整理できていませんでした。

会話の中で「相手の感情を言語化する」というのは、かなり大きな対応のひとつだと思います。

もうひとつ思い浮かぶものに、浅野良雄先生の『対話法』があります。
これは、「自分の考えや気持ちを言う前に、相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる」というものです。

これは、感情がもつれたようなときには、とても有効です。
「あなたとしては、これこれだったので、こうこうしようと思ったんですね」
ただ、少しまだるっこしいので、日常的には使いにくいところがあります。

その点、「感情を言語化」するのは手軽です。
短いので、習慣化しやすいです。

もちろん、的確に言語化できるかどうかは、実はけっこうむずかしいことです。
ktanizawaさんもカウンセラーですから、彼女の技量にしてできているという面もあるかもしれません。

「それはお困りでしたねえ」
「苦しかったですか?」
「そりゃうれしかったねえ」
「しんどかった?」
しかしまあ、この程度なら誰でもできるでしょうし、昔の会話にはきっとあったフレーズですよね。

私も、しばらく意識して使ってみましょう。



自転車通学
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by 50TEMPEST | 2008-06-22 09:38 | 氷山思考

氷山思考33・・・占いに来る人

まず上がとがった二等辺三角形を描いてください。その、上から1/4ぐらいのところに、底辺と平行に(つまり横に)波線を描いてください。三角形が水面上と水面下に区切られたことになりますね。


某有名女性占い師のテレビ番組を見ました。
繁華街の街角で、何年も愛されている人です。

占いに来る人は、ほとんどが相談事を抱えているわけです。
そして女性の相談事は、水面上に見えているのは仕事やら何やらの話なのですが、多くの場合、その下には恋愛のことが隠されているのだそうです。

そういえば、キャリアカウンセリングでも、表面上は仕事の話ですが、下にはメンタルな問題が隠れていたりします。

その言葉に出てきていないものに気づかせて、行動につなげてあげるわけです。
占いも、一種のカウンセリングだと考えれば、何の不思議もないですね。
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by 50TEMPEST | 2008-02-14 07:26 | 氷山思考

氷山思考32・・・ていねいなコミュニケーション

まず上がとがった二等辺三角形を描いてください。その、上から1/4ぐらいのところに、底辺と平行に(つまり横に)波線を描いてください。三角形が水面上と水面下に区切られたことになりますね。

朗読をやってきて、近ごろ思うことは、言葉をていねいに受け渡すということの大事さです。
朗読では、発する言葉で、主人公の心理も表現します。
できるものなら、その存在すべてを表現したいのです。

そのとき、自分の日頃の言葉の発し方とは、だいぶ違うことに気づきます。
不器用さに愕然とします。

本来、言葉は内容だけでなく、文脈や感情など、さまざまなものをともなって発せられます。
しかし、互いに聞こえているのは内容だけです。
水面上に見えているものは、意味を中心とした「内容」です。

日常、私たちは忙しさの中で、内容だけをやりとりしようしているように思えます。
そして、水面下に「ともなっている」ものを無意識に切り捨てて、やりとりを、できるだけ小さくしようとしているようにも思えます。

こんなことを思うきっかけが、最近さらにありました。
カウンセリングのトレーニングと、手話のことを聞く機会です。

カウンセリングのトレーニングは相手の話を聴く訓練なのですが、言葉になったものよりも、その水面下にある心を聴く必要があります。
これがとてもむずかしい。
端的に言うと、わかりすぎるのです。水面上の言葉に反応し、わかったつもりになって、先走ってしまうのです。

手話については、視覚だけを使ってどうコミュニケーションするのか、少し知る機会がありました。
シンボリックなサインとともに、表情、身振りなどが添えられます。
伝えようという気持ちと、受け取ろうという気持ちが、限られたメディアでのやりとりを支えていました。

自分のしてきたコミュニケーションをふりかえると、その粗雑さに忸怩たるものがありますね。
やりとりのときの、その水面の線を下げて、ニュアンスをていねいに伝えるようにしていこうと思っています。
また、そうしたトレーニングは今の世に必要だと、思っています。
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by 50TEMPEST | 2007-12-22 10:42 | 氷山思考

氷山思考31 ・・・どんな言葉をあてるか

まず上がとがった二等辺三角形を描いてください。その、上から1/4ぐらいのところに、底辺と平行に(つまり横に)波線を描いてください。三角形が水面上と水面下に区切られたことになりますね。

何かの出来事に出会ったとき、言葉が生まれます。
このとき、どんな言葉をあてようとするか、は人によって違います。

肯定的な表現か、否定的な表現か。
大きいほうにとらえるか、小さいほうにとらえるか。
楽観的か、悲観的か。

その選択は、水面下にあるもので決まります。
それまでに身につけた、反応の癖のようなものでしょうか。

「うまくいかなかったな。やっぱり自分はついてない。どうせ、またやっても・・・」
「うまくいかなかったな。でもここまではやれたな。あとは何があればクリアかな」

出来事はひとつなのです。
しかし、その出来事を言葉としてどう表現するかで、気持ち(感情)が変わります。

すると、次の一歩も違ってきます。

そんなことの積み重ねで、人生レベルではずいぶん方向が変わることになります。
チャレンジし、結果として何かを得ていく生き方こそ充実した人生だと考えるなら、
(そうでないことに満足を得る人もいるでしょうが)
あえてポジティブな言葉を使うように、自分を習慣づけるのがよいでしょう。


このあたり、NLPの本領でしょうが、TAだと「ライフポジション」に重なります。
これは「人生態度」とも言います。生き方には、その人なりの基本的な構えがあり、それにより物事のとらえ方が変わってくるのだという概念です。

「オプティミスト」の研究もあります(マーチン・セリグマン)。
心理学を、単なる学問にとどめず、生き方のフレームに応用することは、いいと思います(そのあたりは、機会をあらためて書こうと思います)。
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by 50TEMPEST | 2007-12-13 08:22 | 氷山思考

氷山思考30 …ハイコンテキスト その2

コンテキストを共有しているほど、「わかりあえている」感じが生まれます。
そんな状態をハイコンテキストと言います。

日本は他の国とくらべてハイコンテキスト文化だと言われます。
しかし、これからは、ハイコンテキスト文化を前提にした部分はどんどん成立しなくなっていくと思います。社会の文化の共有度合いが、以前より明らかに下がってきたからです。

ハイコンテキスト文化は、海に囲まれた環境の中で醸成されました。
障子一枚の向こうとこちらの気配を読む文化です。言葉面でない部分を大切にします。そしてその部分で「わかりあう」ことを重んじます。
これは現代の特徴である「多様性」を背景にしては成立しません。


ところで、夫婦や友人同士ではハイコンテキスト志向は問題ないのですが、会社などのビジネス集団内でのコミュニケーションでは、これが障害になります。

なぜなら、日本での会話のありかたや文章表現にもハイコンテキスト志向が反映されています。これまではけっこうわかり合えてきたために、情報そのものを正確に伝える・受け取る方法があまり発達してこなかったわけです。

そこに持ってきて、ビジネスの世界では多様化が激しくなっています。
たとえば、派遣、業務委託、さまざまな雇用形態の人が入ってきます。国籍の違う人もいます。ビジネスの相手も国際性が高まっています。グローバルスタンダードの名の下に外国の考え方も入ってきて、そちらに合わせることを求められます。
正社員同士だって年齢差があると、背負った文化が大きく違います。

まずは伝えるべきこと(コンテント)をきちんと伝え合うこと。
次に、「ちょっとしたやりとり」の量をふやして、コンテキストの共有をはかっていくこと。

この2ステップを、構成員それぞれが意識してやっていく必要があると思います。



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by 50TEMPEST | 2007-04-30 08:26 | 氷山思考