ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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カテゴリ:コミュニケーションのツボ( 21 )

母子が視線を共有する意味

ある日、出会った光景です。
若いお母さんと、小さな男の子(幼稚園ぐらい?)が、座っている私の前に立ちました。


窓を見ていた男の子、外を指さして
「あー!」  

ママは、吊革につかまったまま、
「はい、電車ね」 

男の子は、
「とっきう!」
(見た目はけっこう大きいのですが、まだ幼いのか、口がまだ回っていません)

「はい、そうね」
「とっきう!、とっきう!」
「はい」

男の子は、何度も何度もお母さんの顔を見上げて、言います。

でもお母さんは、カラ返事だけで、それを受け止めてくれません。
走り去った電車は、当然、目には入ったわけですが・・・。


こんな感じになったらいいのにな、と思いました。

「あー!」  
「えぇ、何があった?」
「とっきう!」
「そうか、特急だね!」
「うん」
「特急、どうした?」
「ピューって」
「ピューって行ったのかぁ。特急、速いねえ。
「うん、速いねえ」
「いつか、特急乗ろうね」
「うん」
「いつ乗ろうか?」
「いつ乗ろうか?」
「〇〇のおばあちゃんのところに行く時乗れるよ」
「うん」


子供が見つけたものを、お母さんが見てくれるという感覚、大事にしたいですね。
このお母さんは、貴重な機会を失っていると思いました。

親にとって取るに足らないことでも、子供にとっては大きな発見なのです。
彼はわくわくしているのです。

それをお母さんがともに見てくれて、共有してくれる。
自信につながります。

また次の新しい発見をしようとするでしょう。
そんな繰り返しの中で、世の中に積極的に関わろうとする姿勢が生まれてくるのだと思います。


逆に受け止めてもらえないことが繰り返されると、彼はお母さんの顔色をうかがうようになるだろうと思います。
何を言えばお母さんは振り向いてくれるか、半ば無意識に色々試すことでしょう。
その生き方が、彼のひとつのスタイルになりそうな気がします。


また、言葉を覚えるという面でも、意味があります。
お母さんが、正しく繰り返してあげることで、子供は正しい発音を覚えます。
「とっきう」ではなく、「とっきゅう」なのだと、耳から覚えることでしょう。


さらに思いをはせると、大人になって、仕事の場面でも影響がありそうです。

自分の問題意識に対して、上司がともに考えてくれていると感じられること。
これ、仕事をする上でとても大事なのです。

自分を支える誰かが見てくれているという感覚が育たないまま、彼が就職すると、失敗に敏感になるかもしれません。
また、上司の立場になっても、行動のスタイルにないために、望ましい関わり方ができないという結果になります。


三つ子の魂、百までと言います。
こんな、ちょっとしたコミュニケーションが、ずっと大きな影響をもたらす可能性があるのです。

 
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by 50TEMPEST | 2011-06-29 20:09 | コミュニケーションのツボ

レポートトークとラポートトーク

話し言葉は、2種類で成り立っていると言えます。
「レポートトーク」と「ラポートトーク」です。

ところで、以前私は、コーチングのトレーニングで、「レポトーク」と「ラポトーク」という言葉を教わった気がします。
その時はあまり記憶に残らず、通り過ぎていました。

最近、ふと思いつきました。。
レポはレポートの略なのだ、ということです。
また、ラポはラポートの略で、カウンセリングなどでよく言う「ラポール(橋)」の英語読みなのだ、ということです。

略さない方が、頭に残ることがあるのは不思議ですね。
また、何年も忘れていたことが、パッとつながってよみがえるのも不思議です。


レポートトークは、提案、要望、質問、情報など、実務的な内容を伝える会話ですね。
ラポートトークは、気持ちを伝えるなど、親密さを創り出す会話ですね。
道具的コミュニケーションと自己充足的コミュニケーションという区分と、ほぼ同じと言っていいのでしょうね。

ビジネス場面では、どうしてもレポートトーク中心になりがち。
つまり、やろうとしている課題の進捗や出来具合を話すといった具合です。
しかし、それだけでは冷たい感じがして心が乾きます。

話の本題そのものでない、ラポートトークも織り込むことで、よりよい結果につながるのです。
つまり、相手の人間的なところにピントを合わせた、気持ちを聞いたり、思いやるやりとりです。


要はバランスということ。
さらに話を広げるなら、経営学の三隅二不二先生の「PM理論」を思い出しました。
管理者は、組織に対して目的志向だけで関わるよりも、構成員の親密性に働きかけることもしたほうが、結果はよいということ。

ひとつの、おおきな「真理」を、経営学、コミュニケーション、それぞれの面から見たのだ、と言えそうですね。




2種類のコミュニケーション
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by 50TEMPEST | 2011-02-10 07:03 | コミュニケーションのツボ

2種類のコミュニケーション

フェスティンガーは、対人的コミュニケーションには道具的コミュニケーションと自己充足的コミュニケーションがあると指摘しました。

送り手が何らかの目標達成の手段として受け手に送るケースは、道具的コミュニケーションです。
コミュニケーションが目標達成のための道具として利用されているという意味です。
報告、連絡、相談、指示、説得などですね。

コミュニケーションを行うこと自体が目的であるケースは、自己充足的コミュニケーションです。
感情・情緒の表出のためのコミュニケーションであり、伝えてしまえばそれよいという意味です。

日常的に行われているものの多くは道具的なものですが、自己充足的なものは、多くはなくても対人関係の形成や緊張緩和といった調整に重要な役割を果たします。


ところで、昨今企業のメンタルヘルスなどの面から語られるのは、若い人のコミュニケーション下手と、職場でのコミュニケーション量の不足です。
そしてこのとき、どうも道具的コミュニケーションのほうがうまく機能していないのではないか、というのです。

仕事の面で、自分の伝えたいことを他人に伝えることがしっかりできれば、組織における自分の役割も確認でき、動機づけも高まります。
仕事の課題達成にも自信がつき、自尊心が高まり、健康面にもよい影響が出るというわけです。

確かに、自己充足的コミュニケーションにとどまっているうちは、結果を出すことにはつながりませんね。


フェスティンガーの原著を読んだわけではありませんが、おそらく彼が指摘した当時、道具的コミュニケーション優位という状況があったうえで、自己充足コミュニケーションも忘れないようにしましょう、という気持ちだったのではないかと思います。

それが今は逆転していると言えるようです。
「ああしてほしい、こうしてほしい」と欲求を伝えたり、断ったりができないで悩んでしまっている人が多いのでしょう。

もちろん、上記のように、道具的なものばかりではやはりうまくいかないのであって、自己充足的コミュニケーションによって人同士が支え合うことは、やはり大事です。
要は、バランスをとる必要があるということです。

コミュニケーション研修をやる身としては、プログラムの比重をどちらにどうかけるか、一考を要すると思います。
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by 50TEMPEST | 2010-10-05 07:10 | コミュニケーションのツボ

マネージャーのコミュニケーションのツボ18 むずかしい?

口癖はあるものです。
また、こわいものです。

社内で話をしているうちに、こんなことができるといいなあ、と話がふくらんできたとします。
すると頭の中には、ネガティブな要素が、あれこれと浮かぶものです。
予算のこと、反対しそうな上役のこと、説得にかかる手間暇、などなど。

で、口を突いて出る一言。
「うーん、むずかしいなあ…」
相手も「そうねえ…」


そんなことを繰り返して、それが口癖になると、いつでも気軽に言ってしまいます。

部下が、ちょっとした提案を持ってきた。
いけそうかな、と思っても、ちょっと言ってしまう。

「うーん、むずかしいなあ…」
話はそれでおしまい。

実はおしまいではありません。
そんなことが2回も続いたら、部下はもう見切ってしまうでしょう。
「あの上司の辞書に、チャレンジという言葉はないのだ」と。
つまり、副作用が起こっているのです。


同じ口癖なら、もっと前向きの口癖にしましょう。
「うーん、実現には何をすればいい?」

否定的なことを考えてしまうのは、人間の習性です。
生存のためには、危険を読む必要があります。

敵に遭遇して、勝てそうなら戦い、負けそうなら逃げる。
おのずから安全側の選択をとるでしょうからね。

また、とりあえずむずかしいと言っておいて、できなくても、もともとです。
実現すれば価値が上がるような気がします。

でも、むずかしいと言っておいてから、そろそろと始めるのと、
とりあえず実現を前提に、何をすると考えるのでは、一歩の早さが違ってきますよね。
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by 50TEMPEST | 2009-09-14 07:20 | コミュニケーションのツボ

マネージャーのコミュニケーションのツボ 17 とりあえず言ってみる

・会議などで物を言うのに、完璧なことを言う必要はない。
・まわりの人を刺激する程度で十分だ。

会議で、ひとりですばらしい結論に到達するような意見を出そうとすると、容易ではありませんね。
でも、何か口走ってみることで、次の誰かが何か思いつくかもしれないのです。
それで結論に達したら、すばらしいことです。


ところで、私がそんな考え方ができるようになったのは、もう組織を管理する立場でなくなってからかもしれません。

私の完璧癖については、ことあるたびに書いてきています。

基本的に、正しいことを、バッチリのタイミングで発言し、なるほどと言わせたいのです。
特に、組織の長であったときは、正しいことを示し、導こうとしていたと思います。

でも、今思えば、自分がそうすればするほど、上から下に物を言っていたでしょう。
そして、そうすればするほど、依存を招いていたのでしょう。

そうしては、なぜ部下は意識が低いんだなどと、いらついていたのです。
完璧な答えを求めているぞと、ノンバーバルできっと伝えていたでしょう。
それでは、意見も出ないはずです。

ファシリテーションなんて言葉を知ってからは、自分なりにあれこれと試してみたりもしました。
しかし、もうそのときは立場も上になってしまっていて、下手に動くほどポジションパワーを感じさせてしまうという状態…。

受け身的な社員を育てる企業文化だったと言えば、それまでなのですが。
もっと何かできたのではないか、という苦い思い出です。
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by 50TEMPEST | 2009-08-14 07:42 | コミュニケーションのツボ

マネージャーのコミュニケーションのツボ16 褒める

ある外食産業で全国の会社員を対象に調べた結果、こんなことがわかったそうです。

・女性は男性より褒められたがっている。
・若い人ほど褒められたがっている。

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(前略)
「1日1回以上褒められたい」と回答した20代女性の割合は、同世代の男性の1.5倍に上った。

調査によると、「1日1回以上褒められたい」と回答した20代男性は14.2%だったのに20代女性では21.2%。
年代別では若手社員の方が年配社員よりも「褒められたい」という願望が強く、「週に1回以上褒められたい」と答えた50代の男性は22.4%、女性は33.4%に対し、20代の男性43.4%、女性51.8%と、若手社員の方がそれぞれ約20%多かった。(以下略)

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若い人ほど褒められたいというのは、感覚的にわかる気がします。
それだけ自分の確認をしたいのだろうと思います。

コーチングのセオリーでは、単に褒めるのではなく、承認するのだ、と言います。
たとえば、髪を切ってきた女性に対して、似合うとか似合わないとか言おうせず、「あ、髪切ったんだね」と言えばいいというのです。

でも、これはこれでむずかしい。
褒めるなら褒めるでいいと思います。
そのほうが、いくらかは始めやすいですから。

ちゃんと褒めるためには、よく見ていなければなりません。
また、物事を肯定的に考えていなければなりません。


さて、自分を振り返ると、褒めてませんでしたね。若いころは特に。
何かできても、それは当たり前。できてないときだけ注意する。
日本の会社は、そんな文化が多いのではありませんか。

それでなくても、不足は目立つのです。
ほんの少しだけ欠けた円をイメージしてください。

欠けた部分に目が行きませんか。
9割以上はできていても、そんなものなのです。

そのできた部分に着眼して褒める。
日常的にそんな反応をするには、トレーニングがいりそうです。

褒めるのはわざとらしい?
そうだとしても、誰だって褒められて悪い気はしないものです。
豚もおだてりゃ木に登りたくなるんです。
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by 50TEMPEST | 2009-08-12 07:22 | コミュニケーションのツボ

マネージャーのコミュニケーションのツボ15 プラスワン

組織の中では、年齢差があるほどコミュニケーションの機会は減ってきますね。

新しい人がはいって来たとして、そのままでいると、挨拶はするけれど打ち解けた会話はないといった関係が固定してしまうこともあります。
こんなとき役に立つのが、プラスワン。つまり、こっちからもう一言つけ加えるのです。


もし、挨拶も言葉がなくて、会釈だけの相手には、
「…(無言で会釈)」
「おはよう」
となります。


「おはようございます」
「おはよう」
こんな挨拶だけが続いているなら、

「おはようございます」
「おはよう、今日は暑いね」とか、
「おはよう、忙しい?
といった具合に、一言つけ加えるわけ。

そんなところから、人間関係ってほぐれてくるものだと思います。


私は、エレベータで他部署の社員と乗り合わせたときは、
「元気?」
とやっていました。
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by 50TEMPEST | 2009-02-21 12:53 | コミュニケーションのツボ

マネージャーのコミュニケーションのツボ14 モンキー

むずかしい話を持ち込まれて、その場では決めかねることがあります。
また、他部門や上層部など、自部門の外との連絡や打診を依頼されることがあります。

「じゃ考えておくから」
「言っておくから」

私は、12で書いたように、答を出したがっていました。
つまり、責任を引き受けたがっていたのです。

テキパキと指示する自分。それを受けてテキパキと動く部下。
頭にそんなやりとりのイメージが浮かんでいます。

責任の分担がはっきりした組織で、モチベーションの高い部下ばかりなら、それもいいのですが、実際にはそうはいきません。

ある時、たくさん抱え込んで、アップアップしている自分に気づきました。
追って指示すると言った案件、読んでおくと言った書類、伝えておくと言った上へのメッセージ…。
「なぜ俺だけ毎日遅くまで残って仕事を片付けているんだ?」


そんな時出会った本が「1分間マネージャー」ケン・ブランチャード著です。
まったく同じケースが書いてあり、そうやって引き受けた時、モンキーがマネージャーの肩に飛び移るのだとありました。
私の肩もモンキーだらけになっていたのですね。

まずいのは、そんなやり方をしていると、部下が依存してくるようになることです。
それでは困ります。負のスパイラルが起きます。
リスクをとって、自分の領分を広げようとするからこそ成長していくのですから。

というわけで、マジックフレーズ。
「で、君はどうしたい?」

その上で、
「よし、じゃ、それで進めて」とか、
「他の手は考えられないか」とか、
どんどん考えさせ、任せてしまえばいいのですね。
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by 50TEMPEST | 2009-01-30 09:12 | コミュニケーションのツボ

マネージャーのコミュニケーションのツボ13 答はいらない

誰かが相談に来たとします。
一応話を聞きながら、頭の中で解決策をさがしていませんか。

私はそうでした。
男性のマネージャーには、そんな方多いのでは?

「よしわかった、じゃこうやって!」
「ハイ!」

それで万事うまくいくと思っていました。
でも何となくうまくいかなかったのです。

1.指示が必ずしも適切でないケース
報告連絡相談をもとに指示するわけですから、それがちゃんとしてないと、適切と思った指示でも実際には適切になりません。

そんな指示のまま走ってしまうと、後でやっかいなことに。
あの時の話と違うじゃないか、なんて言ってみても、後の祭りです。
それに懲りて、いつもちゃんと状況をつかもうとすると、時間がかかるかかる。

また、こっちも忙しいまま、あまり考えずに指示してしまうことだってあります。


2.答が簡単に出せないケース
事情がこんがらかっていたり、すぐに答が出せないこともあります。
考えれば考えるほど、話は聞けなくなる。
解決していく過程での抵抗が思い浮かんで、気持ちは沈む。
しんどい話を持ち込んでくる部下のこともうらめしく…。


3.そもそも答を求められていないケース
そんなことがあるなんて、若い時は考えもしませんでした。
でも、多少の甲羅を経るうちに、話を聞いてさえいればいいこともあるのだと、だんだんわかってきました。
特に、相手が女性のとき。

自分の中では、この最後のケースを学んだことが大きかったと思っています。
なぜなら、職場だけでなく、日常にコミュニケーションでもあてはまることが多いですから。


というわけで、マネージャーに必要なことは、
まず、しっかり聴くこと。「ウン、ウン」
そのあいづちをしっかり返すこと。「ああ、そうなんだ…」
そして相手に振ること。「で、君としては?」「そーぉ」
考えるのはそれからです。
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by 50TEMPEST | 2009-01-28 09:09 | コミュニケーションのツボ

マネージャーのコミュニケーションのツボ12 ドーナツ

どこの組織でも、人海戦術でかたづけなければならない仕事がたまにあるものです。
総出で残業なんてとき、ちょっと一息のときの差し入れは効果的です。

人間、食べ物を食べているときは、柔らかい心になります。
最近は管理者が飲み屋に誘っても、なかなかついてきてくれませんから、こんなときこそチャンスだと考えればいいでしょう。

私は若い頃、ミスタードーナツが好きでよく食べました。
会社の並びに店があったこともあり、ひとりで残業するときなども先にちょっと食べてからとりかかったりするので、上司から「ミスタードーナツ」という綽名をちょうだいしたぐらいです。

残業中の部下たちにもよく買ってきました。
金額にしたら安いものですが、大きな箱入りをドーンと見せると、ちょっとインパクトがあります。

いつもドーナツでは芸がないので、冬場はコンビニのおでんなんかもいいですね。

ただし、もし自分が手伝わないなら、さしいれしたら、さっさと帰ることです。
手伝わないで、ただ最後までいる必要はないと思います。
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by 50TEMPEST | 2008-11-27 13:54 | コミュニケーションのツボ