ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

igarashi.exblog.jp
ブログトップ

<   2008年 05月 ( 17 )   > この月の画像一覧

物語を聴く

先日父が亡くなり、あれこれと手続きをしたのですが、不動産の相続登記を
頼んだ司法書士さんが、こんな話をしてくれました。

『 相続関係の依頼では、たいてい相続人である奥さんと仕事を進めるの
ですが、法手続きのこととて高齢の方にはむずかしく、なかなか理解してもら
えないことが多いのです。

書き方の不備だの、証明書類の不足だの、結局何度も奥さんのところに足を
運ぶことになります。

しかし、もっと困るのは、その都度奥さんから昔話を長々と聞かされること
なんです。
ビジネスライクにいかないのはわかりますが、毎回毎回、1時間も聞かされる
のは閉口ですよ。… 』

なるほど、開業している方は時間が料金ですからね。わかります。

一方、奥さんのほうの心理もわかります。

そういう方は、単に話し相手に飢えているだけでなく、さまざまなものが物語
の中の一部として整理されているのだろうと思います。
だから、不動産を事務的な「対象物」として切り分けて見ることができないの
ですね。

長い人生の中で、それをいつ手に入れたのか、どんな時代だったのか、どんな
苦労があったのか、手に入れたときどんな気持ちだったのか、などなど。

ひとつ手に取ることで、それにまつわるさまざまなことが思い出されてくるんで
しょう。


ところで、こうした高齢の方に限らず、人って実はだれもが物語を生きている
と思いませんか。

「自分はどんな人間か」語らせたら、誰でも何時間か語れるでしょう。
それは、幼少からの色々なエピソードを綴り合せて、自分を主人公とする大き
な人生物語を作っているわけですね。

そして、その文脈に沿って現実を解釈し、日々の行動を選択しています。
「自分がどんな人間か」が決まれば、どんな行動をするべきかが決まってくる
からです。

たとえば、つらい事件に何度も遭遇したとしましょう。
ある人は、苦しみばかり続くと悲観し、自分の不運な人生を呪って引きこもる
かもしれません。
しかし、別のある人は、明けない夜はない、次はきっといいことがあるだろう
と考え、前進するかもしれませんね。

ある出来事があったとき、事実はひとつですが、どの面を見るか、どう解釈す
るかで、出来事の意味はまるで変わってくるのです。

過去をふりかえるにしても、仮に2人の人がまったく同じ経験をしたとして、
ひとりは、あのことがあったから自分は今もこんな始末だ、と嘆き、
ひとりは、あのことがあったから今の自分があるのだ、と感謝するでしょう。

こう考えてくると、誇りも悩みも、その人の物語によって生まれると言えそう
です。
物語こそアイデンティティなのかもしれません。


人の話を「聴く」ことがコミュニケーションの第一歩だ、とはよく言われること
です。
「聴く」ことは、その人を承認し受け入れることだからです。

しかし、「聴く」というのは本当にむずかしい。
カウンセリングのトレーニングをしてきて、つくづく思います。

話の内容もさることながら、その裏にある、その人なりの物語的文脈を受け止め
ようとして聴くこと。
もしかしたら、そのあたりが、よい聴き方のヒントになるのかもしれませんね。


             …… 心に届け!コミュニケーション No.17 より
[PR]
by 50TEMPEST | 2008-05-31 17:59 | 他に書いた記事

ガニエの9つの教授事象

インストラクショナル・デザインという考え方が、だんだん普及してきているようです。
先生方の経験知であったものが、形式知となり、フレームとして活用されるのはよいことです。

ただ欲を言えば、業界独特の表現があって、言葉の意味がピンとこない場合があります。
使わせてもらう立場からは、もっとわかりやすい言葉遣いをしてほしいものです。

たとえば「方略」とは…?。
「ガニエの9つの教授事象」も、内容はわかるのですが、「教授事象」って…?


◎導入…新しい学習への準備を整える
1 Gain Attention
・学習者の注意を喚起する
・情報の受け入れ態勢を作る
2 Inform Learners of the Object
・学習者に目標を知らせる
・頭を活性化し、重要な情報に集中する
3 Stimulate Recall of Prior Learning
・前提条件を思い出させる
・今までに学んだ関連事項を思い出す

◎情報提示…新しいことにふれる
4 Present the Stimulus
・新しい事項を提示する
・何を学ぶかを具体的に知る
5 Privide Learner Guidance
・学習の指針を与える
・意味のある形で頭に入れる

◎学習活動…自分のものにする
6 Elicit performance
・練習の機会を作る
・頭から取り出す練習をする
7 Provide Feedback
・フィードバックを与える
・学習状況をつかみ、弱点を克服する

◎まとめ…出来具合を確かめ、忘れないようにする
8 Assess Performance
・学習の成果を評価する
・成果を確かめ、結果を味わう
9 Enhance Retention and Transfer
・保持と転移を高める
・長持ちさせ、応用がきくようにする
[PR]
by 50TEMPEST | 2008-05-31 08:00 | 仕事の記録

TA(交流分析)との最初の出会い

私がTA(交流分析)と出会ったのは、40代はじめ。
吉本誠一先生という産業カウンセラーの方のセミナーで、エゴグラムを紹介してもらったのが最初です。

月1回、半年シリーズでの、夜の公開セミナーでした。
新任管理者クラス向けで、1社から何人でも参加可能でしたね。

安かったので、会社が、手を挙げた3人を参加させてくれました。
私は誘われた口でしだが、結局最後まで行ったのは私だけでした。

他の会社も同様、最初だけ多く、回を追うごとに少なくなりました。
あまり大企業は来ていなかったと思います。

受付の人もいなくて、吉本先生自身が受付もされてました。
まあ、貸し会議室を借りてやるセミナーですね。
今なら珍しくありませんが。

考えてみれば、それが夜の勉強会型セミナー参加の最初です。

1社研修をやれない規模の会社のための公開研修であり、研修先を開拓するための体験研修でもあったのでしょう。
今でも通用するビジネスモデルかもしれませんね。

内容は、心理学をマネジメントに応用する切り口あれこれでした。
それまで管理者教育といえば、「管理者たる者、かくあるべし」式のものしか経験していなかったので、私にはとても新鮮で、これは使えると思ったものです。

そんな中で、エゴグラムと自我状態の話がありました。
見事に自分の状態(と問題点)が浮き彫りになり、驚きました。

それ以来、エゴグラムの本や交流分析の入門書など、何冊か読みました。
もうひとつよくわからないところもあり、それっきりになりましたが。

交流分析については、数年後にまたひょんな出会いがあり、それからはちゃんと勉強して今に至っています。

心理学系の職業研修講師さんというものに触れたのも、そのときが初めてです。
結局、今の私は吉本先生と似たようなことをしています。

こうしてあらためてふりかえると、吉本先生からの影響はずいぶん大きいですね。
私は、交流分析を知って人生が変わったといつも言っているのですが、吉本先生と出会って、とも言えるわけですね。
またお会いしたいと思いながら、それっきりになっています。
[PR]
by 50TEMPEST | 2008-05-27 19:30 | 日々の交流分析

どんな仕事も楽しくなる3つの物語

「どんな仕事も楽しくなる3つの物語」

カリスマコンサルタントと言っては、かえって陳腐な表現かもしれませんが、福島正伸さんの本です。

私は、人生は楽しいと思いますし、世の中はおもしろいと思います。
ですから、「こんないいことがありました」という本は大好きです。
そんな、「いいこと」をちゃんと見つけられる人を尊敬します。

この本には、福島さんが講演で話されるネタが紹介されています。
心があたたかくなります。

世の中コンサルタントばやりです。
こんなにコンサルタントがいて食べていけるのかな、と思いますが、それはともかく。

自分を、何らかの形でコンサルタントだと言っている人は、福島さんの姿勢に学ぶことが必要です。そして、彼から影響を受けた人なら、信用できる気がします。


 ********************

●福島正伸さんの講演会
 「超人気コンサルタント養成講座」

 日時: 2008年5月29日(木) 19:00~21:00

 場所: 「ベルサール神田」
     東京都千代田区神田美土代町7 住友不動産神田ビル3F

 会費:一般15,000円

 詳細・お申し込みは こちら から
[PR]
by 50TEMPEST | 2008-05-23 08:04 | 読んだ本

むかーし、あったんだどー 52 電報

電報は今だってありますが、慶弔用に細々と、でも根強く生きているという感じですね。

もともとの意味の電報はなくなったな、ということです。
アメリカでは完全になくなったと聞いたように思いますし。

電報はもともと、急ぎの連絡をするものであって、かつて西南戦争の勝敗を決したのは電報だというくらいです。

字数で料金が決まるので、「チチシス(父死す)」とか「マルオクレ(金を送ってくれ)」のように、短い特有の表現がありました。
至急電報である「ウナ電」なんて言葉もありました。

今は、もっと速く、情報量の多いメディアができて、緊急性はあまり求められません。
今の存在価値は、気持ちを紙の形で、そこそこ速く届けるということでしょうか。

ところで、私のもらった電報で記憶に残るのは、「ホケツニュウガクキョカス、デンポウデヘンセヨ」です。予備校に入るために旅立とうという前日、入学式の前々日に飛び込んで来ました。
国立大学に補欠入学があるなんて考えもしませんでしたから、誰かのいたずらじゃないかと思ったものです。

学生時代は、就職活動の採否通知によく電報が使われました。
自宅通学生以外で電話を持っている者などいませんでしたから。

就職して数年後に採用担当をした時、私もずいぶん打ちました。

ある時、「千代田区永田町○○」という住所の学生さんがいて、しかも一戸建ての住所表示でした。
国会議事堂のそばに住んでるなんて、どんな人なんだろうと思いましたが、電報局に住所を伝えると、向こうも、「えっ、そんなところに人が住んでらっしゃるんですか?」と聞いてきたことがありました。

さて、緊急連絡サービスとしての電報が使命を終えたのは、間違いないでしょう。
ただ考えてみると、近頃、個人情報保護の関係で、電話を公開しないケースが増えていますよね。
当然メールアドレスも教えないことが増えてくるでしょう。

そんな相手に急いでメッセージを届けるとしたら、住所さえわかれば届けてくれる電報という手段にだけ可能です。
もしかしたら、それを存在価値に、電報に復権の糸口が出てくるかもしれませんね。
[PR]
by 50TEMPEST | 2008-05-22 07:31 | むかーし、あったんだどー

むかーし、あったんだどー 51 呼び出し電話

40年ぐらい前までは、個人で電話のある家は、決して多くありませんでした。

急ぎの連絡がある時どうするかというと、呼び出し電話です。
ご近所のお店などにかけて、その家の人を呼んでもらうのです。

お店ばかりでなく個人だって、電話のある家では、隣近所を呼んであげます。
考えたら、手間な話です。
でも、それが当たり前でした。

かけるほうだって、「ちょっと電話を拝借」と言って借りに行くわけです。
気兼ねなものです。
特にこみ入った用件など、その家の人に聞かれるのを覚悟しなければなりません。

少し前まで、電話が玄関先に置いてあることが多かったものですが、呼び出し電話のおもかげでしょうかね。
電話が家の奥にあっては、かかってきたにしろ、かけるにしろ、他人がそこまで入ってくることになりますので。

市内にかけたときは、お礼を言って10円を置きます。
昔はどんなに長くても10円でした。

市外にかけるときは、まず電話局を呼び出して、市外通話を申込みます。
終ると、交換手がかけてきて、金額を教えてくれました。

考えてみると、頻繁に電話しなくても、皆、ことが足りていたわけです。
アポイントなんて習慣はあまりなくて、友達に会いに行っても、いなければしばらく待ったりしました。

いきなり親類が尋ねてきて「泊めてくれ」なんてことも普通でした。
ただしそんな場合、普通はハガキで事前にやり取りしたもので、あまりに都合を考えないやり方だと、「ハガキの一本も寄越すがいいじゃないか」という言い方がありました。
そのうち、電話の普及とともに、「電話の一本も・・・」になったようです。

今は、携帯電話が普及して、一人に1台の時代です。
電話のWEBにからめとられているみたいな気がします。
[PR]
by 50TEMPEST | 2008-05-21 07:26 | むかーし、あったんだどー

庶民の相続関係手続き その5 税金

相続税は、けっこう心配の種としてとりあげられるのですが、庶民でひっかかる人はほとんどいないそうです。

基礎控除というものがあって、それを超えないと、かからないのです。
 5000万円 + (1000万円 × 相続人数) 

私の場合は、母と兄妹2人ですから、8000万円ですね。
幸か不幸か、それを超えるほどの相続財産はありませんでした。

超える人は、メチャメチャ超えるのでしょうから、大変ですよね。
超える場合は税務署に申告が必要になります。
私のように、超えなければ必要はありません。

ただし、際どいかなと思われる場合は、財産リストを作って、チェックする必要があります。

数字が一見して明確でないものは、不動産です。
今住んでいない土地を持っていたりすると、けっこういい金額に評価される場合があるので、要注意。市役所で、固定資産の評価証明をとってみると、あたりがつけられます。

          *        *

その年の税金の精算として、準確定申告というものがあります。
本人が生きていれば翌年にする確定申告を、相続人がやることになります。

条件が該当すれば、なにがしか税金が戻ってきます。
たとえば、入院が長引いて、その費用が10万円を超えたような場合ですね。

ただ、医療費控除は亡くなる前に支払った分に限られるのだそうです。
確かに理屈ではわかります。死後は、その人が払ったわけではありませんけどね。

でも、ちょっとおもしろくない。
病院で亡くなった方は、最後の支払いは医療費控除に算入できないのです。
臨終間近にわざわざ入院費を精算する人はいませんからね。

私の場合、父は年金だけが収入で、その分は源泉徴収されていますし、死去は4月です。
今年分の入院期間は1ヶ月弱で、その費用はほとんど没後に支払いました。

それらを勘案すると、申告によって戻る額は期待できません。
めんどうな書類を作る手間代のほうが高いので、この申告はやめました。
[PR]
by 50TEMPEST | 2008-05-20 08:18 | 見て聞いて考えた

庶民の相続関係手続き その4 名義変更あれこれ

人間、自分名義で受け取っているサービスって、ずいぶんあるものです。

その2で、口座引き落としの変更について書きましたが、目論見どおり、スムーズに切り替わりました。
ただ、それはあくまでも父名義の引き落としを、母名義の口座に変えたということです。

まだ父の名義のままですから、それらは変更する必要があります。
多分、放っておいても、実害はないかもしれませんが…。

というわけで、片っ端から電話しました。
水道、ガス、電気、NHK、などなど。

幸い、どれも電話で済みました。
年寄りのことで、さほど多くはないはずなのに、色々あるものだなあと思いました。
私なら、名義の変更や解約が必要なことは、クレジットカード、所属団体など、ゾロゾロ出そうです。


さて、NTTだけは、ちょっと扱いが違います。
例の、戸籍謄本を添えて書式を出すというようなことになっています。

電話加入「権」といった考え方の名残りなのでしょう。
ただ、今、その権利のようなものが、どうなっているのかはよくわかりません。
昔むかしは、債権のようなものを買ったらしいのですが…。

電話の名義を変えるのはやめにしました。
名義を変えてしまうと、母の名前が電話帳に出てしまいます。

時節柄、あれやこれやと売り込みの電話がかかってきます。
女所帯と見られては厄介事も考えられます。

と言って、電話帳からはずしてしまうと、地方都市では色々不便も起こります。
ここはひとつ、あの世の父に、もうひとがんばり魔よけになってもらおうというわけです。
[PR]
by 50TEMPEST | 2008-05-19 08:07 | 見て聞いて考えた

庶民の相続関係手続き その3 不動産登記

不動産も、亡くなったとたんに相続財産になるわけですから、何も手続きしないとしたら、相続人が法定持分に応じて共有している状態(奥さんが半分とか)になります。
基本的に、何かをするには全員の合意をとらなければならないわけです。

不動産は、誰かひとりの所有にしておくのがいいのでしょうね。
昔から、土地を分ける人は「たわけ」なのですね。

ただ、ここでもめるというのはよく聞く話。
わが家のように、子供がそれぞれに稼いでおり、不動産なんかもらわなくていい、なんてケースは、必ずしも当たり前ではないのかも・・・。

さて不動産の登記というのは、むずかしそうなものの代表かもしれません。
できれば触りたくないものでしょう。
そのせいで、手をつけられずに放置されることがよくあるようです。

相続登記を放置すると、将来売ろうとするような時あらためて手続きが必要になり、やっかいです。相続人の一部が亡くなったりしようものなら、ますます煩雑になります。


さて、誰かひとりに所有を移す形で登記するには、その相続の関係を説明する書類を作る必要があります。
・相続関係説明図
 ・・・亡くなった人(被相続人)と相続人の関係を系図のように表現した書類
・遺産分割協議書
 ・・・相続人たちが話し合い、誰々が、これこれの不動産を持つことにしたという内容の書類
   全員署名し、実印を捺印

このへんは司法書士の領分なので、もちろん頼んでもいいのですが、あらかじめ作っておけば、話は早く済みます。
ネット検索で書式はかんたんに見つけられます。

その他、添付書類は以下のようなものです。
・亡くなった方の戸籍謄本(出生から死去まで)
・亡くなった方の戸籍の附票
・新しい所有者の戸籍抄本(奥さんの場合は不要)
・新しい所有者の住民票写し
・相続人全員の戸籍抄本
・相続人全員の印鑑証明
・評価証明(その不動産の価値を示すもの)

どの不動産について手続きするのか、確かに亡くなった方の所有なのかを確認するために、不動産の登記事項証明も取っておくほうがいいでしょう。
全国どこの不動産でも、最寄の法務局で取れるようになっています。

正規の証明を取らなくても、内容の確認だけなら、自宅のパソコンで見られます。
それをプリントするだけでもいいでしょう。

若い頃、会社で登記にからむ仕事をよくしたのです。
当時は管轄の法務局に行かなければ出来なかった仕事が、オンライン化で、けっこう便利になっていました。

さて、これらの書類をまとめて、司法書士に渡します。
ここまでやれれば、登記手続きそのものも自分でできるのですが、私はプロにまかせました。
餅は餅屋ということがありますからね。

登記が済むと、できてくる書類が登記済権利証です。俗に権利書と言っているものです。
売る時や、ローンを借りて抵当権をつける時などに、必要になる大事な書類です。
亡くなった方名義の権利書はもう意味がないので、廃棄してかまいません。


ところで、打ち合わせを終えたところで、司法書士さんが言いました。
「四十九日より前ですが、よろしいですね」

言われて気づきました。そんな考え方もあるんですね。
司法書士さんは色々なケースに出会うので、中には、そんなことが問題になることもあるのでしょう。
そういえば、「四十九日も済まないうちに」なんて言い方もありますよね。

わが家は例外だとして、確かに、待っていたかのようにバタバタと所有権を移してしまうと、特に分けっこをするような場合、奥さんの気持ちが微妙になることがありそうです。
亡くなった状況などにもからむでしょうが、少し落ち着く期間を置くのがいいと思います。
[PR]
by 50TEMPEST | 2008-05-18 07:37 | 見て聞いて考えた

庶民の相続関係手続き その2 預貯金・保険

預貯金は、その持ち主が亡くなると閉鎖されます。
つまり、おろせなくなります。
そればかりではなく、公共料金などの引き落としもできなくなります。

ただ、亡くなった事実については、どこにも情報源があるわけではなく、銀行の人が何らかの機会に知ったら、というわけです。
私の場合でも、いつも集金に来ている地方銀行の地元支店はいちはやくキャッチし弔問にも来られましたが、ご縁の薄い銀行はこちらから電話するまで知られていませんでした。

朝刊に亡くなった人がずらりと掲載される北海道でさえ、これですから、都会では銀行側から庶民の死を知って閉鎖することなど、実質的にはあまりないのかもしれませんね。
とはいえ、そのままにしておくわけにはいきません。
厳密には、亡くなった瞬間から、その預貯金は相続財産になりますので、相続人の合意がなければいじれないのです。

私の場合、存命中でしたが先の見えたときに、引き落とし口座を切り替えました。
いざとなってからの仕事を減らしたかったのです。
同じ銀行に、母名義の口座を作り、切り替えを依頼したところ、こころよくやってくれました。
あわせて、当分の間に見込まれる費用も移しました。

           *

亡くなってから銀行に連絡し、趣旨を話して書類を送ってくれるように頼みました。
銀行によって多少の違いはありますが、要するに以下のような内容を書く書類が来ます。
・相続人が誰か(全員)
・その代表として誰が選ばれたのか

預貯金は、解約して支払われるか、名義を変更して残すかの、選択肢があります。
実際には支払ってもらうことが普通でしょう。

銀行としては、確かな相続人代表に渡すので、あとはそちらで適宜やってね、ということです。
相続の権利そのものは、誰に1/2とかいう形で発生するので、その配分を銀行に持ち込まれても困るのでしょうね。

書類に、相続人全員の署名捺印がいります。
自分で署名する必要があり、印鑑は実印です。

署名に付記する住所も、印鑑証明にある表現のとおりに書くことです。
印鑑は鮮明に捺すこと。また捨て印も捺しておくほうが無難です。

自分で署名するわけですから、相続人がたくさんいて、しかも離れて暮らしているなんて場合は、たいへんです。
ま、誰かが勝手に手続きしてしまわないようにという予防策なのでしょう。

添付書類は以下のようなものです。
・亡くなった方の戸籍謄本(誕生から死去まで)
・相続人全員の戸籍抄本
・印鑑証明

戸籍謄本は、銀行によって結婚からなどでよい場合もあります。
奥さんについては、亡くなった方の戸籍に書いてあるので、抄本はいりません。

手続きに行くときは、できれば相続人代表の実印を持っていくと安全です。
証明類はコピーをとって返してくれるところと、そうでないところがあります。

大手銀行はどうかわかりませんが、地方銀行なら1時間以内で手続きは済みます。
キャッシュを持って帰ることもできますが、その銀行にある別口座に入金してあげると、手続きも早く済みますし、向こうも喜びます。
まとまったお金で当分使わないなら、定期預金にでもしてあげれば、もっと喜びます。


郵便局は、基本的に同じ手続きなのですが、少しやっかいです。
民営化で、郵便局はゆうちょ銀行などの代理店という形になりました。
局のレベルでは手続きが済みません。
しかも窓口担当者は、こうした手続きに慣れているとは限りません。

書類を書いても、上部の組織に送ったりするので、時間がかかります。
もっとも、銀行でも大手の場合は、専門組織に回すので、似たようなものだという話も聞きました。
私の場合は、もともと大きな局の扱いで、集金に来てくれている局員の方があったので、手続きそのものはフレンドリーに進められました。

          *

生命保険の手続きは簡単です。
外務員などを呼んで、所定の手続きをすればいいのです。
もともと亡くなったときのためのものですからね。

保険金は通常、相続財産ではありません。
ただし、亡くなった人が受取人である場合は、相続財産になります。
銀行のところで述べた預貯金についての手続きと同様になるので、相続人全員が自署して実印を捺すことが必要になります。

またちょっとやっかいなのは、入院特約がついていて、入院してから亡くなった場合です。
この給付金も相続財産になってしまいます。
入院期間の証明も必要なので、病院に最後の支払いに行く時、頼んでおくといいでしょう。
[PR]
by 50TEMPEST | 2008-05-17 08:10 | 見て聞いて考えた