ひさしぶりに、日本ファシリテーション協会(FAJ)の例会に出ました。
法政大学キャリアデザイン学部とのコラボです。
「あなたの組織、キャリア開発なんかに取り組んで大丈夫?---個人のキャリアデザインが組織を変える?」というワークショップで、こんなことを考えました。
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これからあるべき社会視点のキャリアデザインとは・・・
企業の価値は、キャリア観に微妙に投影されているでしょう。
成長を当然のことと考えたり、スキルをふやしていくべきだ、とかいうことです。
しかし、今日、社会の価値は変わろうとしています。
日本においては、特にそうです。
地球という船から、ギリギリまで資源を絞って、たくさんの人間が生きています。
そのひずみがポンとあからさまになったのが、今回の原発事故と言えなくもない。
これからの社会は、否応なしに、分ちあいの社会です。
有限を前提に、引き算の発想が必要です。
さて、そうなると、企業組織だって、価値を変えざるをえない。
生産性を追求し、売上げだ、利益だと言っていたのが、ひっくりかえるかもしれない。
そんなに皆が皆、ガンガンもうけようとしなくてもよい。
そこそこのもうけで、それを分け合うという安定した企業もよいのではないか。
そこではワークライフバランスや多様性が価値として求められます。
たとえば、高齢者も、いつまでも働きなさいではなくて、さっさと退職するのです。
そして、その人件費は、若い人に回される。
上が抜け、下に入る。
組織の中で仕事がバトンタッチがされていく、循環システムができます。
年寄りはいつまでも働かず、ライフのほうを楽しむのです。
若い人が定期的にはいってくるからこそ、組織は活性化するのです。
少しでもよい人間をという近視眼で、若い人を長々と採用選考で縛り続けるのはいけません。
そんな企業社会では、たくさんしゃかりきに働きたい人はそのように、そうでない人はまた、それなりに働けるのです。
育児中の女性だって、子育てという楽しみを感じながら仕事ができます。
得ようとして得た何かよりも、その得ようとする過程を味わいます。
いわば、コンテンツより、プロセスを重んじるのです。
生き方の次元では、充実感が尊ばれます。
たとえば、自己効力感や、自己決定感こそが大事。
今どこにいて、何をしているのかがわかれば人は安心し、社会に対して関わりを保つ限り、充実して生きられます。
いくら稼いだかなど、二の次。
そうです。人は、人生の時間をどう充実して生きるかが問題なのですから。
そんな、価値の転換した社会が、必要です。
できるはず。
だって、あれほど四の五の言っていたサマータイムや時短が、電気が足りないとなったとたんに、たちまちできたではありませんか。