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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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むかーし、あったんだどー 92 くみ取り便所

落語に、「くみ立て」という噺があります。
昔のトイレは、皆くみ取り式でした。

つまり、トイレの下に便槽があるわけです。
定期的に、回収する人が来ます。

うんと昔は、肥桶とひしゃくで、天秤棒をかついだ格好です。
特に、畑のあるところは、肥料(下肥というのです)として使ったわけです。

その後、寄生虫の原因になるといって、下肥を使わなくなり、函館市内でもバキュームカーが来るようになりました。
長く太いゴムホースのついた車が来て、ホースの先をくみ取り口から入れ、吸い上げます。
どの家でもトイレは敷地の一番奥にありますから、路地を、ホースをもった人が入っていって、その作業をするわけです。

バキュームカーが来ると、けっこう匂うので、子供たちは「便所かいが来た」と言って騒ぎました。
しかし、学校の先生には叱られました。絶対必要で、楽ではない仕事ですからね。

私が子供の時、普通の家で、くみ取り式でないところはなかったと思います。
市内が水洗化したのは、大人になってからです。
どこの町でも同じようなものだと思います。

初めて水洗式を経験したのは、叔父さんが住んでいた札幌の鉄筋コンクリートの社宅てした。
一番最初は流すということを知らず、困って、そのまま出てきました。

札幌は都会で、すごいなと思ったものですが、考えてみれば、ビルなのですから、水洗しかしかたがありませんね。
戸建の民家はどうだったのか。
金沢での大学時代は、やはりくみ取り式でしたから、似たようなものだったのでしょう。
by 50TEMPEST | 2010-06-12 11:37 | むかーし、あったんだどー