欲求について、人間はこんな欲求を持つ存在だという前提を、どの心理学も持っています。
そもそも生物としては、食欲、睡眠欲、性欲が3大欲求だといいますが、このへんは前提のまた前提かも。
他にも欲求はいろいろあるでしょうが、この3つが大きいと言われると、わかった気がします。
マズローの欲求段階説が有名です。
最下層が生存の欲求ですが、もしかしたら、上にあげた3つはそれにあたるのかもしれません。
さて、交流分析では、人が他人と交流するのに3つの動機があると考えます。
①刺激の欲求・・・存在を認められたい
人は他人からの刺激を求めています。
刺激を受けることで、自分が生きていると確認しています。
その刺激をストロークと言いますが、お互いにストロークを交換しているわけです。
②構造化の欲求・・・落ち着いた時間を過ごしたい
人はカオスの状態に耐えられません。
何とか安定した形を作ろうとします。
人間関係においては、ストロークを得やすくなるように、生活時間の枠組みを作ります。
③承認の欲求・・・自己の価値を確かめたい
人は、相手と自分の相対的な位置関係を意識し、それを確認しようとします。
居心地のよい位置関係があり、それは常に自分を上に置くものとは限りません。
たとえ不健康であっても、その基本的な構えにいつも立ち戻ります。
結果的に、自分の基本的な構えをいつも確認していることになります。
しかし、自分をOKと認めたいという根本の欲求は持っているのです。
これらの欲求を満たされると落ち着くわけですから、組織活動などにおいては、リーダーはその点に配慮するといいでしょう。
・私の存在していることを認めてほしい
・私に形を与えてほしい
・私の価値を認めてほしい
ですから、簡単に言ってしまえば、以下のようなことを地道にすることです。
・挨拶する。いつも声をかける。
・何らかの役割をきちんと与える。オンとオフの切り替えをつける。
・結果をしっかり承認する。ほめる。過去からの成長を伝える。
リーダーが忙しくて、このあたりの目配りがなくなっていることから、メンタルヘルス不全の増加なども起きていると言えそうです。