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正倉院の五弦琵琶

平成3年10月、転勤で大阪に単身赴任しました。京都、神戸、奈良・・・、転勤中にあちこち見て回ろうと目論んでいましたので、まずその年の11月3日(13年前の今日)、正倉院展に出かけました。
お目当ては御物の琵琶でした。教科書で見た「あの琵琶」です(毎年この時期に正倉院展は開かれますが、要は虫干しですから、その年によって展示物が少しずつ違うのだそうです)。
現物の螺鈿紫檀五弦琵琶(らでんしたんのごげんびわ)は、ほっそりとして、螺鈿細工に覆われた、本当に美しい楽器でした。1200年以上前のものとはまったく思えませんでした。

さて今日、音伝屋公演「平安妖異伝 孔雀に乗った女」オンドマルトノと朗読の会に行ってきました。お寺で音楽とともに朗読を聴く、神秘的な楽しいひと時でした。
朗読されたのは平岩弓枝作「平安妖異伝」の一話で、話の中に五弦琵琶が出てきます。紫檀製で、孔雀と女が螺鈿で描かれているといいます。

帰宅してからふと思いついて、あのときの正倉院展図録を出してみました。正倉院の琵琶は五弦で、らくだに乗る胡人が螺鈿で描かれています。その胡人は四弦の琵琶を弾いています。「五弦琵琶はインドに起こり、中央アジアのキジールを経由し、北魏に入り、唐代に至って完成されたが、その後廃絶されたとされ、宝庫のこの琵琶は現存唯一の五弦琵琶である。」と解説にあります。
話の中に出てきた、琵琶についての描写や四弦琵琶との対比のくだりなどを考えると、著者は正倉院の琵琶からあのストーリーをふくらませたのだろうなと想像できました。

もうひとつ。実はこの話は前に本で読んだのですが、そのときにはこうした発想が広がりはしませんでした。耳からあらためて聴いたことで、かつて昔の琵琶を見、図録を買ったことを思い出したのです。この刺激と反応の違い、また13年という時を隔てた同じ日の琵琶をめぐる縁にも気づき、自分ながらとてもおもしろく感じられました。

公演は明後日!!
朗読公演について1
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by 50TEMPEST | 2004-11-03 23:11 | 朗読