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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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オペラ歌手の芝居っ気

オペラとオペレッタをたてつづけに見ました。
東京オペラ・プロデュース公演 「とてつもない誤解(ロッシーニ)」
日本オペレッタ協会公演    「ルクセンブルク伯爵(レハール)」

「とてつもない誤解」では松山いくおさん、「ルクセンブルク伯爵」では田辺とおるさんのしゃれた演技が目につきました。
松山さんは、オペラブッファ独特の変な登場人物をコミカルに演じていました。自分の歌うところでないときの、ちょっとした仕草や体の動きの切れが他の出演者とは一味違いました。
また田辺さんは、声と体で存在感を示していました。特にオペレッタは日本語のセリフがあり、内容も現代に近いので、人物に実感がないと薄っぺらな出し物になってしまいます。

こう言い切ってしまっては問題があるでしょうが、概してオペラ歌手の演技力はお粗末です。うまく歌わなければならないという課題があると同時に、うまく歌いさえすればそこそこの感動は与えられるからでしょうか。
まあ、タイトルロール(題名になっている役)はそれほど演技力はなくてもすむと言えるかもしれない。歌自体に力があるし、求められるのは小器用な演技より何といっても歌ですから。でもドミンゴがすばらしいのは歌だけでなく演技力もだという点は見逃してはいけないでしょうね。

しかし脇役のほうは、きちんと血の通った人間になっていることが不可欠だと思います。スズキがよければこそ、蝶々さんで泣けるのです。
その意味で、両公演とも成功だったと感じています。
by 50TEMPEST | 2005-01-24 23:59 | 歌舞伎,オペラ