まず上がとがった二等辺三角形を描いてください。その、上から1/4ぐらいのところに、底辺と平行に(つまり横に)波線を描いてください。三角形が水面上と水面下に区切られたことになりますね。
三角全体を組織にある知としましょう。
水面上になっている部分を形式知、水面下は暗黙知です。
2007年問題が言われた時、最大のテーマは定年で去る人の持っているものをどう受け継ぐかでした。
果たして、そのテーマはうまくいったのでしょうか。
近頃定年になった人は、高度成長期を支えてきた人と言っていいでしょう。
日本が、技術立国などと言われて元気になった時、その技術を生み出した人です。
また、手の技術から機械化へ、アナログからデジタルへ、という転換を経験してきた人です。
だから、どっちもわかる貴重な人です。
もう過去の技術として、切り捨てることのできる業界もあるかもしれませんが、私の育った建設業界などでは、ほんとうに貴重な財産です。
ただ、その知を継承するのは、簡単ではないかもしれません。
まず、見えるものにする必要があります。
氷山思考で言えば、水面を下げて、表に出た部分を大きくする作業と言えます。
あれから5年たちました。
再雇用などで、在籍を伸ばしたのはよいとして、その期間をちゃんと継承に充てられたのでしょうか。