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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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人の生き方を決めるもの お前であるな…禁止令2

Aさんの家は古い芸能を伝える家です。男子が一子相伝でその技を継承するのです。夫婦になかなか子どもが生まれず周囲をやきもきさせましたが、やっと授かりました。ところがそれは女の子だったのです。幼いときから利発な子どもでしたので、Aさんはいつも子どもを見る時「ああ、この子が男の子だったらなあ」と思わないではいられません
この子は、女ながら血筋を感じさせる、目元もりりしい娘に成長しました。家の芸を継ぐことはできませんでしたが、宝塚スターを経て名女優になり、スキャンダルもないまま生涯を独身で送りました。

Bさん夫婦に4人目の子どもが生まれました。今度こそ女の子がほしかったのですが、また男の子でした。すっかり女の子と決め込んでいたので、名前も男女どちらにも使える名前にしてしまいました。末っ子ということもあり、お母さんはとてもかわいがりました。着せる服も、ついかわいい物にしてしまいます。兄弟たちもアイドル扱いです。
この子は気持ちの優しい子に育ちました。人の心もよくわかります。ただ、大局を見てのリーダーシップは不得手です。

Cさんは2人の子を持つ母親です。上の子はよく言うことを聞き、勉強もよくするので、Cさんのお気に入りです。年が離れているせいか、下の子は悪いところばかり目につきます。Cさんは、いつも上の子を引き合いに出して下の子を叱りました。
下の子は、上の子をよく見習いましたが、伸びやかさを失ってしまいました。成長して別々の人生を送るようになると、大人としての判断が必要な場面ではいつも自信がありません。

Dさんは生活にだらしない夫と離婚して、ひとりで子どもを育てています。その子は、別れた夫と顔が似ているばかりでなく、時々しぐさの癖までそっくりなことがあります。日々忙しいDさんは子どもをあまりかまってやれませんが、そんな時は必ず、その癖をやめるように注意し、お父さんのようになってはいけないよ、と小言を言います。
子どもは、結局その癖をやめないまま、父親そっくりに成長してしまいました。日頃かまってもらえないこの子は、その癖を見せると母親が反応(小言とはいえ)してくれることを、無意識に身につけたのです。

              *         *

親は子どもに対して、こうした態度をとりがちですよね。しかし、このメッセージは、間接的に「その子そのものであってはいけない」と伝えてしまっているのです。これが「お前であるな」の禁止令です。
AさんとBさんのケースは、「その性であるな(男または女であるな)」とも言います。

もちろん、結果としてその子が不幸になったとは限りませんよ。ただ、良かれと思って何の気なしにとる親の態度が、子どもの成長に意外な影響を与えていることがあるのです。
その子らしさの部分をしっかり認めてあげることが大事だと思います。


人の生き方を決めるもの 禁止令って?1

※自分の整理と説明のネタ用に書いています。記事に出てきたケースはフィクションです。

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by 50TEMPEST | 2006-05-25 07:45 | 日々の交流分析