NHKで新「海老蔵」の「暫」を見る。
なんだか自分で自分をまとめきれてないような鎌倉権五郎だったが、小器用でないところがいいのだろう。
うまいとはお世辞にも言えないが、彼ほどの眼の力と声の大きさとオーラを兼ね備えた役者はいない。インタビューを聞いていると、頭のよさも感じる。月並みな感想ながら、将来が楽しみ。
少し前に団十郎の「暫」も放映されたので、つい比較してしまう。
団十郎の芝居を私は好きではないが、海老蔵のと比べると、その大きさ、筋隈の盛り上がりを感じた。あらためて感服した。
特に、他の人のやれない成田屋の出し物について、彼の存在はさすがと言わざるをえない。海老蔵という比較の対象ができたことによって、それが見えたのは私にとって収穫だった。