私が会社に入った頃の仕事のしかた、たとえば何か文書を発信しようというときは、こんな手順でした。
・シャープペンシルで下書きを書く
・ハンコを捺して、回付する(主任、課長と順に発信名義人まで)
・戻ってきたものを和文タイピストに回す
・1部をまた、ハンコを捺して回付する
・戻ってきたものを控として発信簿に綴る
・正本に発信名義人の赤い印を捺す
・郵便で送る
今は、じかにワープロからきれいなものが出てきます。
そもそも、こんな形式で送る正式文書なんか、民間ではめったにないでしょう。
担当から責任者に至る各レベルで、Eメールのやりとりで仕事が進んでいると思います。
全体としての事務量はどうかわかりませんが、ひとつの仕事の流れを見る限り、合理化はされました。
問題は社内のコミュニケーション量です。
昔は、何回もハンコを捺して回す途中で、上司との接触がありました。
ずいぶん教えてもらったものです。
赤エンピツの訂正が入らないまでも、自分の仕事を見てもらえてるという感触がありました。
その点、今の社員は、若いうちからひとりで仕事をしていると言ってもよい。
メンタルヘルス不全がふえる背景には、こうした仕事のしかたの変化があるはずです。
自分とその仕事を、だれかが見てくれているという気持ちは、仕事の質・量が多いときほど大事な意味を持ちます。メンタルヘルスのためには、上司が部下と接する機会を意図的にふやすことが必要なのです。
それでなくとも、人間関係を良くする決め手は、コミュニケーション量です。
普通の仕事の中でコミュニケーションが減ってくると、一度の接触に、あれもこれもと伝えてしまう、思いをこめすぎてしまう、なんてことはないでしょうか。そこにまた、ディスコミュニケーションが起きるのだと思います。
まずは、減った分、何とかして単純に回数をふやす工夫こそ第一歩だと思います。
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