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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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「聞きにくい」こととは

あるワークショップでのことです。

2人一組になり、質問し合って、互いに知り合おうというワークをしました。
その後、ファシリテーターから、「こんな質問がうれしかった、という人はいる?」という投げかけがありました。

杖をついて、足が不自由な方から手があがりました。
どんなことで悪いのか、たずねてもらったのがよかったとのお話です。

驚いたことに、この方は脳腫瘍で、そのため片足の感覚がないのだそうです。
さらには、他の部位あちこちの罹患、治療歴を経てきているとのことでした。

「聞いてみるもんだねえ」
ファシリテーターは言いました。


まさにそうです。
私には聞けなかったでしょう。

コーチングやカウンセリングのトレーニング中、ロールプレイでこみいった事情が出てきたとき、質問できない自分がいます。
ましてや、明らかに体の不自由な方に対しては、そのことに触れてはいけないという気持ちが働きます。聞いたとして、せいぜい「もう長くお悪いんですか」ぐらいでしょうね。

聞けない背景には、心の中に、安っぽい同情がありそうです。
そっと、うまく折り合っていきたいという気持ちも。

この方のような場合もあるのですね。
おそらくは、経験を積み重ね、「今」を、落ち込んだものではなく勝ちとったものと考えて、そんな場にも堂々と参加されている。

考え込まずに、子供のように、ポンと聞けばいいのでしょう。

貴重な経験でした。
by 50TEMPEST | 2007-08-23 08:10 | 見て聞いて考えた