今、気楽にコピーがとれて、それが当たり前どころか、むしろ問題になるような時代ですね。
私が会社員になったころ、普通紙の白いコピー(PPC:プレーンペーパーコピアー)はありましたが、高い物であり、できるだけ使うなというものでした。
配布物を作るときにどうするかと言えば、謄写版の輪転機印刷をする以外は、青焼きと呼ばれるブルーコピーでした。
半透明の原紙を作り、それを感光紙に重ねて、機械に通します。
すると、写真のような感じで感光し、さらに薬液を通ることで発色して出てくるのです。
薬液はアンモニアらしく、特有の匂いがしました。
建設会社でしたから、図面の青焼きをたくさんする必要があり、地階のコピー室には排気のしかけがありました。
建設関係以外で、青焼きをたくさん使ったのは、登記所でしょう。
窓口の奥では、登記簿の原簿を係員がさがしては機械にかけ、プルーコピーつまり登記簿謄本を作っていました。
今回相続の関係で、登記簿謄本をとることがありました。
もうコンピュータ化されていて、全国どこでも取れるようになっていました。
当然ブルーコピーなんてものはなくて、画面でさがしてサッと白いプリントアウトが作れます。
いまどき当たり前といえば当たり前ですが、ずいぶん効率化したと思います。
そういえば今回、母が結婚する時に取った、父の戸籍謄本なるものが出てきました。
驚くことに、手書きでした。戦後間もなくですから、当然ですが。
ブルーコピーでも、どれだけ技術革新だったかが、うかがわれました。