日本産業カウンセリング学会の研修会で、楡木教授(立正大学:マイクロ・カウンセリングを最初に紹介したグループのおひとり)の講義を聞いてきました。
CDAのテキストに、私たちの時からマイクロ・カウンセリングの項目が入り、用語もそっちの言葉になったのです。
しかし、それまでのロジャース流の言葉から替わったところがよく説明されていないので、消化不良でした。
同じ思いの皆さんのために、ここに記録しておきます。
◎感情の反映とは
ロジャース流では、感情の反射
マイクロ・カウンセリングでは、感情の反映
英語では、どちらも Reflection of Feeling
マイクロ・カウンセリングを紹介するとき、
その前から主流だったロジャース流では、
・感情の反射…感情表現を繰り返す
・感情の明確化…感情表現されていない感情を言語化して表現する
のふたつだった。
アイヴィは、そのふたつを一括して、Reflection を使っていた。
そこで、マイクロ・カウンセリング流では、
混乱を避けるために、あえて訳を、感情の「反映」とした。
◎マイクロとなぜ名付けられたか
マイクロ・カウンセリングがまとめられた当時、
先行概念として、マイクロ・ティーチングという、教授法のトレーニング法があった。
ビデオを使って、教授法の適否を分析評価するトレーニングだった。
そのスタイルを使って、カウンセリング場面を5分ぐらいのビデオに録り、
すぐ再生して技量を分析するやりかたをとったので、マイクロ・カウンセリングとした。
ロールプレイの時間を短くするために、技法を整理してあるので、
どの技法のトレーニングをするかで、しぼって取り出してやれる。
それまでは、それぞれの流儀の形だったので、
カウンセリングを学ぶことに時間がかかっていた。
カウンセラーとしてクライエントを前にしたとき、
ひととおり身につけておかなければならない技法を、
階層の形に整理したことに、マイクロ・カウンセリングの意義がある。
◎意味の反映とは
アイヴィが、フランクルに会ったことから気づき、技法に加えられた。
生活体験に隠れた、個人の意味を見出す役割を果たす。
感情レベルよりもさらに深い、生きる上での意味レベル(を聞く)。
クライエントの体験の真髄。