人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

igarashi.exblog.jp
ブログトップ

MJ氏の場合…交流分析的仮説

●MJ氏の生い立ち
MJ氏はミュージシャンです。
9人兄弟姉妹の7番目として、アメリカの黒人街に生まれました。
5歳で兄弟たちで作ったボーカルグループに加わり、達者な歌を披露し、人気を博しました。
その後、声変わりを経てソロとなり、、青年期には新しいダンスステップを披露、大人気を得て世界に名を知られた歌手になりました。

結婚は2度しました。最初は、超有名先輩歌手の娘ですぐ離婚。遺産目当てだったと噂されました。
2度目は皮膚科の主治医の看護師で、2人の子供ができまししたが、これも離婚しました。
その後代理母との間にも1人子供ができました。

世の人を驚かせたのは、彼が何度も変貌していくことでした。
肌は色白に、鼻は高く…。
誰もが整形手術だと思いましたが、彼自身は、整形は一度だけであとは皮膚病だと言いました。

大豪邸を建て、子供が遊べる遊園地のようにして、「ネバーランド」と名づけました。
いろいろなトラブルから訴訟が重なりました。
浪費に加えて、訴訟費用のために借財がかさみました。

50歳のある朝、心臓が止まっているのを発見されました。
新しいツアーの準備に入っているときでした。


●MJ氏の人生脚本

禁止令: 子供であるな 近づくな 成長するな お前であるな(性ではなく、人種?) 
ドライバー: 完全であれ 他人を喜ばせろ 一生懸命やれ 

貧乏なのに子沢山の、黒人労働者の家庭。
父親は兄弟に対して厳しく、暴力をふるうことも頻繁でした。自分自身のミュージシャンの夢を子供たちに託した部分もあったのです。
後に性的虐待発言が子供たちから出たりしています。

母親は何度も離婚しようとして果たせませんでした。
父親の暴力から子供を守ろうとしたでしょう。

こうした家庭の子供は、早く大人になって親の期待に応えよう、親を楽にさせてやろうと決心する可能性があります。
MJ氏は、小さい頃人前で歌うことは、本当は好きでなかったかも。
声変わりしたころ、内気になったと言われましたが、その性格ははじめから持っていたはずです。

また、家庭不和を見続けてきたので、夫婦の愛情を、根底のところでは信じられていなかったと思います。

育った時代は黒人にとって厳しい時代でしたから、兄弟たちが成功しかけていくことを、親のほうはまぶしく思うと同時に、奥底では、どうせ黒人はうまくはいかないのだといった、あきらめのような複雑な思いも持っていたでしょう。

人気者になったかわいいMJ氏。
しかし、子どもは日に日に成長し、小さな頃のかわいらしさは失われていきます。
いつまでもそのままいてほしいという気持ちもあっただろうと思います。

そうしたさまざまなことが、MJ氏の人生脚本に影響しました。

MJ氏は意外に寡作です。彼の作品もツアーも、完璧を追及したものでした。
軽いノリのものをたくさん出すのではなく、コストを度外視していいものを作ろうとしました。
成功するほどに、無意識な不安感が増したのでしょう。
よりよいものを作らなければと、気が抜けなかったのです。

「ピーターパンは僕が心の中に持っている特別な象徴なんだ。ピーターパンからイメージするのは若さ、子供時代、大人にならないこととか、マジックとか、空を飛ぶこととか、僕はそういったものにずっと魅力を感じ続けていて、そして何よりも大切なものだと感じ続けているんだ」と彼は語っています。

彼はピーターパンでありたかった。自由に遊びたかった。空を飛びたかった。
その思いの結晶が、遊園地や動物園まで併設した豪邸「ネバーランド」です。
子供であるべき時に子供でいられなかった歪みが、ここにあらわれています。

結局彼は、年をとりたくなかったのです。
原因が何であれ、何らかの形で整形を繰り返した最大の理由は、それだったろうと思います。
若い声を保つために、ホルモン剤を使ったという説もあります。
確かに、中年のときの話し声や話し方は、私には少々不気味でした。
素手の老け具合が異様にも思えました。
黒人であることを消したいという気持ちもあったとは思います。

子供であるなという無言のメッセージと、大人になるな(成長するな)という無言のメッセージ、相反するふたつの間で、複雑な人生脚本ができてしまったように、私には見えます。
成長=老化していく自分、黒い自分、など。自分のいろいろな面において、自分を受け入れることができなかったのですね。

【追記 2012.3】
彼は、父親が妹に性的行為をしかけるのを見てしまったのではないか、と思います。
そこで、大人というものがそんなものなら、自分はなるまいと思い定めたのです。

とはいえ、次第に成長していく自分。
しかも、否定している父親に似ていってしまう自分・・・。

白人風に変身を重ねていったのは、自分の成長と成熟を否定する行為だったのでしょう。



                  *****
参考:
12の禁止令
1.存在するな
2.男(女)であるな
3.子供であるな
4.成長するな
5.成功するな
6.何々するな
7.重要であるな
8.属するな
9.近づくな
10.健康であるな
11.考えるな
12.感じるな

5つのドライバー(駆りたてるもの)
1.完全であれ
2.強くあれ
3.一生懸命やれ
4.他人を喜ばせろ
5.急げ

※これは交流分析(TA)の応用を考えるためのフィクションストーリーです。
マイ〇ケル・ジャクソン氏を評価分析するものではありません。
by 50TEMPEST | 2009-07-05 13:31 | 日々の交流分析