上司に叱られた女子社員。屋上ですっかり落ち込んでいる。
動画携帯を取り出す。携帯には、何人もの彼氏からのメッセージが保存してある。
まず一人の分を呼び出して再生する。
『君はとっても素敵だよ』
「うん、そうだよね」
たちまち、機嫌が直る。
* *
動画携帯が出始めのころの、仲間由紀恵さんのCMでした。
自分の存在を認めてくれるものを、「ストローク」と言います。
人はストロークがなくては生きていけません。
ストロークにはプラスのものと、マイナスのものがあります。
上司が彼女のやってしまったことを叱ったのであれば、それは条件付のマイナスのストロークです。人は幼い頃から、こうした経験を通して、やってはいけないことを学びます。
これを、やってしまった事実の部分についてではなく頭ごなしに叱ってしまう(たとえば『バカ!少しは考えろ!お前なんかやめてしまえ!』のように)と、存在そのものを否定することになります。そうなると絶対的なマイナスのストロークです。
人からもらったストロークを思い出して元気の種にする。これを「ストローク銀行」といいます。落ち込んだ時のために携帯にプラスのストロークをしまっておいた(ここらが時代ですね)彼女でしたが、鮮度の落ちたプラスストロークでは、絶対的マイナスストロークに対してはカバーし切れなかったかも知れませんね。