古いビデオ「無視刑囚」を見る機会がありました。
「新トワイライトゾーン」というテレビドラマシリーズのひとつです。
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時は近未来、ひとりの男が冷淡罪で有罪となる。
同僚などから訴えられたのだ。
矯正のために、1年間の無視刑を言い渡される。
額にマークをつけられ、空中を小さなUFOのような監視装置が漂う。
周りの人はそのマークを見ると、話しかけるのをやめ、無視する。
彼は「The Invisible Man」というわけだ。
1年ぐらいどうということはない、と強がっていた男も、次第につらくなる。
カフェテリアのような店で、からんだり悪さをする。
女性用のジャグジー部屋に入りこむ。
それでも無視を続けられると、悪ささえできなくなる。
盲目の老人に、そうとは知らずに話しかけられ、会話のできるうれしさを知る。
町をさまよいながら、「Talk to me」と話しかける。
同じようにマークをつけた女性と出会う。
同じ境遇同士、話さないかと誘うが、彼女は恐れて逃げる。
「Talk to me!」
刑期が満了して、やっとマークをはずしてもらえる。
彼は仕事に戻り、人が変わって円満に付き合う人間になる。
ある日、いつか会った無視刑の女性と出会う。
彼女は懸命に「Talk to me!」と食い下がる。
はじめは無視していた男だったが、ついに法を犯して彼女を抱きしめる。
「You are not ivisible.」
彼は、「過度に矯正された」としてまた処刑されたことを、テロップが伝える…。
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交流分析の「ストローク」を説明するとき、
「人はストロークなしには生きていけない、と言われています」
で済ませてしまう人が珍しくありません。
しかし、そんなとき引き合いに出すには持ってこいのドラマ。
現に、そんな使い方をよくされるらしい。
着想もおもしろいが、無視されるなかでの、男の心の状態の変化も興味深く描かれています。
「ライフポジション」の説明にも使えそうです。