子供の時覚えた味覚は変わらないものです。ラーメンで言うと、私の育った函館の味は塩ラーメンです。
札幌や旭川のラーメンが有名になったせいか、北海道のラーメンは濃いスープと思われているらしいのですが、あれは寒い土地で生まれた物だと思います。
気候がおだやかで、歴史のある函館の塩ラーメンは、ずっとずっと繊細なスープです。塩だしなので、しょう油の色もなく、澄んでいます。炒めモヤシなんか盛りません。背脂?とんでもない。
ローカルな話になりますが、子供の頃の外食というと、いつも松風町の「王さん(わんさん)」のラーメンでした。当時はそれがご馳走でした。
グルーンベルトの通りから2本くらい駅寄りだったと思います。20年くらい前に行ったときはまだありました。今はどうでしょう。
就職して東京に住んでから、トンコツ白濁スープの熊本ラーメンを食べさせてもらった時には、こんなラーメンもあるのかと驚いたものです。
いろいろ食べてきましたが、年齢を重ねるにつれ、ますます澄んだサッパリスープが恋しくなります。知らない店に入って、味が選べる時は、つい塩ラーメンを選んでしまいますが、函館風には出会いません。函館ラーメンにもっと全国区になってほしいものだと思います。
第3回 函館塩ラーメンサミット参加店決定!