私がサラリーマン生活を始めたころ、女子社員の職種は「一般事務」と言いました。
補助的な仕事をするわけですが、それとは別に不文律的な仕事がありました。
一日数回、課員にお茶を出したり、灰皿を掃除したりする仕事です。
女子社員が交代でやっていました。
俗にこれを「お茶くみ」と言い、会社に勤める女性の仕事の、蔑称にもなっていました。
誰々は熱いのが好き、誰々は並々といれるのが嫌いなど、給湯室では課員の好みが伝承されていました。
半面、嫌われると、変な物を入れられるなんて話がありましたね。
人間ですから、するのが当たり前のような顔をされると、いい気持ちはしないでしょう。
私の職場では、ヘビースモーカーの先輩の灰皿が、評判が悪かった。
毎日灰皿が山になっていましたし、やさしい言葉なんか言えない人でしたから。
女性のほうの働く意識が高まってくるにつれ、お茶くみに対する抵抗も強まりました。
次第に廃止され、給茶器にとって代わられるようになりました。
なくなったのは、最近10年か20年くらいの間ですね。
最近はどこの会社にもほとんどないでしょう。