しばらく中断していたのですが、ひさしぶりに、「ローマ人の物語 塩野七生著」を読んでいます。
目下、カエサルのガリア戦役のあたり。
いつもながら、彼女の筆力には舌を巻きます。
かなりむずかしいことを書いているにもかかわらず、スイスイ体に入ってくるし、先に興味がつながって、手放せなくなります。
カエサルの働きかたに対する見方として、私益・他益・公益という切り口が登場しました。
カエサルは、ある仕事をするのに、ひとつの益だけでなく、複数の益をねらっていたというのです。
たとえば、同盟者のためになるとともに、国のためにもなることをする。
国のためになることをしつつ、自分の懐にも入るよう仕組む。
カエサルの記述を読んで、ふと思いました。
企業人でも、会社のためにも自分のためにもなるようなこと(怪しい金のやりとりは別)を仕組むのは、リスクテイクであり、仕事としてやりがいのある、おもしろいことですよね。
わが朝では、政治家の金の問題で、十年一日の国会論議、マスコミ論議。
目くそ、鼻くそを笑うがごとき足の引っ張り合いです。
そもそも、政治家が金銭的に清貧でなければならないのでしょうか。
少し脱線ですが、ついでに言えば、芸能人が異性関係に清潔でなければならないのでしょうか。
また、アスリートが、酒の上などに品行方正でなければならないのでしょうか。
ないものをねだるとか、益のないことで騒ぐとかするよりは、仕事の結果を常に問うていくほうがよいと思うのです。