何人かで、「仕事のやりがい」とは何なのか、話す機会がありました。
こういう明確な答のない問いを考える機会はあまりありません。
それを顔を突き合わせて、ああでもない、こうでもないと話し合うのは、かなり頭の体操です。
話し合っているうちに、私はこう考えつきました。
【仕事のやりがいとは、「成長感」である。】
人は行動します。
行動して、感触を得ずにはいられない動物です。
その行動の多くは仕事です。
仕事からは、結果が生まれます。
それは、感触として自分に返ってきます。
その感触が、自分の価値観にとってプラスと感じられれば、それが成長ということです。
その経験をとりこむことで、思考・感情・行動のパターンがふえます。
自分は成長し、それと同時に価値観も成長します。
その営みは、自分が求める限り未来永劫繰り返されます。
成長は、完成のないオンゴーイングなプロセスです。
仕事をし続ける過程にこそ、やりがいは得られるのです。
では、どんなことが価値観にとってプラスに感じられるのか。
人によって価値観は多様ですから、どんなことをすれば「やりがい」を感じるのか、個々にはいろいろです。
しかし、大きくくくれば、それは「生きるために役立つ」ことでしょう。
一個の生物として、たとえばうまく獲物を捕る、元気ですごす、などにつながること。
その中には、「群れの一員として貢献する」こと、も含まれるはずです。
協力すればマンモスも倒せ、そのおかげで群れは栄えるでしょうから。
それも究極的には「生きるために役立つ」ことです。
現代の日常においては、学び、人の役に立つということが、やりがいを得る切り口ということになるでしょう。
ところで、自分の恩恵を受けた人を作ることは、自分の足跡を残すことでもあるわけです。
それはさらに、自分が、生物としての寿命を超えた長い命を持つことにもつながるのです。