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ゆめ芝居 それがしの申しますことひと通り・・・

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ブログがとりもつ縁かいな

前の会社の先輩だったIさんから電話をいただいた。彼はだいぶ前に退職して、荻窪で奥様と日本茶の喫茶店を経営されている。

このブログを見て、私が函館出身であることを知ったそうで、ご自身も函館生まれ、小学校4年まで住んでおられたとのことだ。私も、彼が函館生まれとはまったく知らなかった。
ひさしぶりにお会いして函館の話で盛り上がった。

ご連絡いただいたきっかけは次のようなことだった。
最近、頼まれてお友達の会社の経営を手伝うようになった。
それまではインターネットを使うことなどなかったのだが、たまたま前の会社のことを調べようと、検索してみた。
そこで私のブログが出てきた(私が前の会社でしたことを並べた記事)。
私のことを思い出して読むうちに函館生まれであることを知った。

私が函館のことをたまに書くようになったのは、たまたま函館を検索して「函館望郷ブログ」に行き当たり、トラックバックしたことからだ。それまでは函館のことを書くなんて頭になかった。
在職中のIさんを仕事の面ではよく知っていたけれど、そんなことからブログが取り持つ縁で、お互い別の面を知ることができたわけだ(beatpopsさんに感謝)。

私は駒場小から的場中、中部高校と通ったのだが、彼は隣の柏野小学校だった。しかし、駒場小から的場中という人が荻窪で飲み屋をやっている、もしかしたら中部高校出身かも知れないから、行ってみようと話が発展した。
たまたまその夜はお休みか、開店しておらず、残念ながら後日の楽しみということにはなったが、ひとつ投げた石が波紋を生み、人生がつながり合い、広がっていくことに感慨深い夜となった。

 I氏のお店 茶のイ
by 50TEMPEST | 2004-11-29 08:00 | 見て聞いて考えた

仁左衛門の河内山

歌舞伎座の顔見世興行に行ってきました。
出し物は、「菊畑」、「吉田屋」、「河内山」の3本ですが、頂き物のチケットで平日なので、例によって最初の出し物は見られません。

お目当ては仁左衛門初役の「河内山」でした。さわやかな河内山ではありましたが、悪党ということではもうひとつ大きさと凄みがほしいかなと思いました。

むしろ左團次の高木小左衛門と梅玉の松江公がよかった。
左團次は、滑稽味からすれば北村大膳のほうをやりそうな感じもありますが、彼の本来持っている器の大きさが出て、りっぱな家老の貫禄を見せていました。
梅玉は何といっても、最後にゴタゴタを裁きに出てくる役や、さっそうとした殿様がぴったりなのですが、今回の松江出雲之守は少し違って、癇症な感じがよく出ていたのがしっくり感じられました。
二人とも、主役を引き立たせる型どおりの役と言えるのかも知れませんが、今回は人間味を感じさせ、芝居に厚みを出していました。

「吉田屋」は、私にとってはいつも「保名」と並ぶ居眠り幕なので何ということはありませんが、文化勲章の雀右衛門があの夕霧の衣装を着て動けることに、感動を覚えました。
by 50TEMPEST | 2004-11-28 13:12 | 歌舞伎,オペラ

営業系コミュニケーション研修の記録 平16②

ビジネスに活かすコミュニケーションスキル・セミナー
SK社 平成16年11月25日 2.5時間

●対象者 営業パーソン 11名

●ねらい 営業スタイルをひろげるきっかけ作り
      特に、一見「むずかしそう」な相手に対しても前向きに対応するスキルの付与

●プログラム
 ○買う側の論理を考える・・・「よい営業マン」「会いたくない営業マン」
 〇「聴く」ということ
 ○商談初期のコミュニケーションと、マインドの保ち方

    *************

今までに営業に関する本、ビデオ、セミナーなどで勉強したことがありますか、という問いかけを、いつもしている。手が挙がるのは、0~1人といったところ。
手が挙がらないのは、今まで私がやったところが重厚長大型業種ということも関係あるかもしれないが。

「営業」という仕事について、勉強したことのない(OJTは別として)人がほとんどなのは、どんな理由なのだろうかと思う。
 学んでも役に立つものがない。
 学んで役立った先輩など先行事例がない。
 入社後に刷り込まれたことがベストと思っている。
 学ぶ気がない。
 学びようがないと思いこんでいる。 ・・・・・・・
本当に役立つコンテンツの開発と同時に、動機づけの部分で工夫が必要だ。
by 50TEMPEST | 2004-11-26 12:09 | 仕事の記録

発声法のワークショップ

米山文明先生のワークショップに行ってきました(11/21)。

前半 約1時間のレクチャー。呼吸と声のしくみ、呼気から声へつなげる。
後半 実技実践。
    実際に体を動かしながら、筋肉をゆるめ、体の中から呼気をだす感じをつかむ。
    呼気とともに、ささえとなる音の発声。
                       (主催者 風カルチャークラブHPより)

もっと声出しのようなことをするのかと思っていましたが、まったく違いました。米山先生の主張は、呼気(吐く息)を合理的にするのが大事であり、吸気(吸う息)は気にしなくても自然に入ってくるということです。したがって単なる発声法というより、かなり呼吸法に寄っていました(初心者向けということでもあるのでしょう)。

米山章子先生の実技指導で、少しずつ少しずつ体をほぐしながら呼吸を整えていきました。途中から、mやnやzoなどの声を出していきました。
動き自体はたいしたことをしないのですが、うっすら汗ばんできます。
声を出しながら体をあちこちタッピングして、共鳴するのを感じたりもしました。
レクチャーやワークの中で、これまでの自分の常識と違う点がけっこうありました。
・体を前に倒す動きで自然に「吸気(息が体に入ってくる)」になり、起す動きで「呼気
 (息を吐き出す、つまり声を出せる)」になる。
・床を踏みしめて膝を軽く屈伸しながら声を出すと、思いのほか長く声が出る。
・腹式呼吸というが、正しくは横隔膜呼吸というべき。腹の前の筋肉は発声には貢献して
 いない。むしろ横や後が大事。
・声が通るかどうかは共鳴腔のつくり方がポイント。

プロのオペラ歌手などは、歌うとき、喉はほとんど動かさず、腹筋を動かしているのだそうです。だから、素人でも歌うときなどは意識を腹において(喉をしめずにおこうとか考えず)歌うとよいそうです。
発声法を実際に自分のものにするには、かなりの訓練がいりそうですが、とりあえず、声についてずいぶん勉強になりました。
by 50TEMPEST | 2004-11-21 22:57 | 見て聞いて考えた

運動栄養療法指導のてんまつ その3

栄養士さんのあとは、運動のトレーナーの番です。

栄養士さんから回されたカルテには、「会社でのカロリー消費」欄には0(ゼロ)、コメント欄には「食事はパーフェクト」なんて書いてあります。こうなると後工程の人は大変だ。

色々話して、結局、彼女の言いたいことは、こんなことです。
・毎日うっすら汗をかくような運動をしなさい。
・毎日がよろしい。週に1回なんてのは、やらないよりましという程度。
・食後がよろしい。空腹時は厳禁。

ということは、ぶらぶら散歩なんてのはダメ。まして休日に買い物がてらなんてのはダメ。会社からの帰宅途中で少し歩くのもダメ、というわけです。
具体的に考えてみると、こうなります。
・朝食後・・・駅までを歩くか。電車で座らないか。
・昼食後・・・昼休みにウォーキングするか。
・夕食後・・・食後に汗をかきに出るか。
睡眠時間の確保や疲労の回復にもからむので、どうもこれという妙案はありません。
結局、昼にできるだけ歩きましょう(夏なら昼に出る気はしないでしょうが、冬なので)ということで終わりました。

立場上、生活習慣病に注意しなさいなんて言ってきた人間なので、対策に取り組みたい思いはあります。半面、根っから書斎人だし、仕事のストレスの中で多少のことはあって不思議はないと思うせいか、もうひとつ真剣になれません(昼休みは歩くようにはしています。ただ、今までだって散歩はよくしていたのです)。
今、生活がけっこう一杯いっぱいに回っていて、何かをしようとすると何かにしわ寄せがいく感じで、トレーナーを困らせてしまいました。
運動もけっこうですが、生活自体をのんびり型に切り替えることのほうが、もしかしたら早道なのかもしれません。それとても、そんな生活で得ているものとの得失の問題になるのですが。
by 50TEMPEST | 2004-11-20 13:00 | 見て聞いて考えた

運動栄養療法指導のてんまつ その2

ドクターとの面談の後は栄養士さんとの面談でした。問答のあらましは以下のとおり。

仕事デハ動ヒテイルカ
  ホトンド机ニムカヒテ、ぱそこんヤ書類ガ相手ナリ 
酒量ハ如何ニ
  毎日晩酌スルガ、日本酒1合相当ナリ
  季節ニヨリ、びーる、わいんナド。強イ酒ハ嗜マズ。
朝食ノ献立ハ如何ニ
  とーすと半枚ニ、ぷるーん入りよーぐると、牛乳、卵焼キナドナリ
昼食ハ如何ニ
  愛妻弁当ナリ 飯少シニ、オカズ色トリドリナリ
夕食ハ如何ニ 飯ノ量ハ如何ニ
  茶碗ニ軽ク1杯ナリ
オカズハ、肉、魚イズレガ主ナルヤ、イズレガ従ナルヤ
  圧倒的ニ魚ナリ 野菜モ沢山ナリ
揚物ハ好キナリヤ
  メッタニセズ
コトノツイデニ問ヒモウサン、食生活ヲ近頃変へタコトハアリヤナシヤ
  何年モ前カラ、気ヲ使ヒオリ、飯量ハ加齢ニシタガヒテ減少シタリ

「食生活はパーフェクトですね。・・・あとは・・・運動ですねえ・・・」
そりゃそうでしょう。今時、我が家ぐらいまともな内容の食事をしているところは少数派じゃないかと思います。
しいて言えば、「少し」の酒量を「毎日」というパターンは糖尿につながりやすいという研究発表のことを新聞で見たような気がします。となると、ストレスを解く効果と天秤にかけて、どっちをとるかということになりますが・・・。
(続く)
by 50TEMPEST | 2004-11-19 08:00 | 見て聞いて考えた

運動栄養療法指導のてんまつ その1

糖尿病の境界域なのだそうで、先日、運動栄養療法指導に呼ばれてしまいました。

まず、用意された運動着に着替えて待機。
心拍数、血圧をはかったうえで、看護師さんから今日の手順の説明。
待つ間に、トレーナーがちょっとした準備運動の指導。

ドクターと面談。ブドウ糖負荷検査で2時間値の下がり方がよくなかったのだそうです。
「日常、20分位の、ちょっと汗ばむくらいの運動をしてください」
「それは、筋肉をつけて、血糖の消費をよくしようということですか」
「いや、運動することで体全体の血糖値の消費が効率的になるんです」

「20分位の運動」なるものを体感するために、トレーナーが付いてエアロバイクをこぎました。週休2日になったとき、土曜日にジムに通ったことがありますが、すぐめげました。それ以来、10何年ぶりの自転車こぎです。

またドクターと面談。
「運動中の心電図の様子も、血圧の様子も問題ないようです」
「食生活も気をつけてるし、大酒も飲まないし、去年と何も変わっていない。特に思い当たることはないんですがねえ」
「こう言っては何ですが、男性でも更年期ということもありますし、・・・」
「・・・・・・。ごもっともです。・・・・・・」

(続く)
by 50TEMPEST | 2004-11-17 08:00 | 見て聞いて考えた

正倉院の五弦琵琶 ビジネス文バージョン

試みに、前に書いた「正倉院の五弦琵琶」を、ビジネス文バージョンとしてわかりやすさ本位に書き変えてみました。さて、忙しい方に伝わりやすくなったでしょうか。

     =====================

今日、音伝屋公演「平安妖異伝 孔雀に乗った女」オンドマルトノと朗読の会に行ってきました。お寺で音楽とともに朗読を聴く、神秘的な楽しいひと時でした。
朗読されたのは平岩弓枝作「平安妖異伝」の一話で、話の中に五弦琵琶が出てきます。

この琵琶に関連して、三つの面白いことを発見しました。
一つ目は、著者が、正倉院の御物の琵琶からこの話の着想を得たのではないかということです。
二つ目は、本を読んだときの自分の反応と、朗読の形で耳から聴いたときの自分の反応とではずいぶん違い、耳からのほうが収獲が大きかったことです。
三つ目は、私はかつて正倉院展でその琵琶を見たのですが、それが13年前のちょうど同じ日だったということです。

一つ目の発見は、話の着想のもとについてです。
話の中の琵琶と、正倉院の琵琶とでは、紫檀製、五弦、螺鈿の装飾という共通点があります。五弦琵琶は廃絶しており、今使われている琵琶は四弦です。
まず、話の中に出てきた琵琶は紫檀製の五弦で、孔雀と女が螺鈿で描かれているといいます。それから、四弦琵琶と対比したくだりも出てきます。
正倉院の琵琶も紫檀製の五弦で、らくだに乗る胡人が螺鈿で描かれています。その胡人は四弦の琵琶を弾いています。
私の持っている正倉院展の図録の解説に、「五弦琵琶はインドに起こり、中央アジアのキジールを経由し、北魏に入り、唐代に至って完成されたが、その後廃絶されたとされ、宝庫のこの琵琶は現存唯一の五弦琵琶である。」とあります。
こうした諸点から、著者は正倉院の琵琶から着想を得たのではないかと考えられます。

二つ目の発見は、刺激とそれにともなう発想についてです。
実はこの話は前に本で読んだのですが、そのときにはこうした発想が広がりはしませんでした。耳からあらためて聴いたことで、かつて正倉院の琵琶を見、図録を買ったことを思い出したのです。この、刺激による反応の違いが、自分ながらとてもおもしろく感じられました。

三つ目の発見は、琵琶をめぐる符合についてです。
公演を聞いたのが今日、11月3日です。そして教科書で見た「あの琵琶」を見に、正倉院展に行ったのが13年前の今日、11月3日なのです。ふと思いついて、あのときの正倉院展図録を出してみて、はじめてそのことに気づきました。
平成3年10月に転勤で大阪に単身赴任しました。京都、神戸、奈良・・・、転勤中にあちこち見て回ろうと目論んでおり、まずその年の11月3日、正倉院展に「あの琵琶」が出るというので出かけたのです(正倉院展は毎年行なわれますが、要は虫干しなので、その年によって出るものが違うのです)。
現物の螺鈿紫檀五弦琵琶(らでんしたんのごげんびわ)は、ほっそりとして、螺鈿細工に覆われた、本当に美しい楽器でした。1200年以上前のものとはまったく思えませんでした。

こうして、朗読がとりもつ、琵琶をめぐる不思議な縁とでも言いましょうか。私は3つの面白い点に気づいたのです。
by 50TEMPEST | 2004-11-12 08:00 | 朗読

時間外手当の民事訴訟 【MOVEON人事マガジン10】

研修などでご縁のできました皆様に、人事や教育について、私のアンテナに響いた動きをお知らせします(不定期)。

民事訴訟で未払い時間外手当が争われ、会社側が敗訴した事件がありました。
事例は工事会社であるのが気になるところです。
工事会社はその性格上、時間管理がルーズになりがちです。また天気の都合や上流工程の影響で、どうしても時間外作業でかたづけなければならないことが出ます。
どこの会社も時間外を抑制しているのが現実でしょう。社員側にも、以前は業界人として「そういうものだ」という割切りがあったと思います。

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 サービス残業認め賠償命令 元関電子会社社員が勝訴

 共同通信によると、関西電力子会社の電気工事会社「関西テック」(現かんでんエンジニアリング、大阪市)の元社員井島忍さん(31)=岐阜県関市=が残業手当の未払い分など約600万円の支払いを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は25日までに、同社に約550万円の支払いを命じた。
同社は当時、タイムカードを導入しておらず、社員が労働時間を自己申告し、井島さんは自分のスケジュール帳を基に実際は申告以上の残業をしたと主張。朝倉亮子裁判官は「会社は社員の申告を事実上抑制していた」としてサービス残業があったと認定し、労働基準法で定められた制裁的付加金の支払いも命じた。
判決によると、井島さんは同社電気工事課に所属し、2000年10月から退職した2002年5月までの残業手当計約275万円が未払いとなっていた。
かんでんエンジニアリングは「判決内容を詳細に確認し、社内で検討して今後の対応を決めたい」と話している。

JIL-DBより
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訴訟まで起こすのは、いわくがあって退職した社員だと思いますが、こんな争いは増えそうな気がします。
会社としては、労務管理全般にわたっていろいろ考えていかなければなりませんね。

私は、労働を時間ではかることはもうやめ、質と量で値段をつけるようにできないものかと考えています。
たとえば、会社からある額で請負う形です。予定や期待水準に合わすことは自分の責任、そのかわり早くできれば自分のもうけといった感じ。
今のままでは、世の中どんどんせちがらくなりそうです。
by 50TEMPEST | 2004-11-09 13:00 | 他に書いた記事

ドン・パスクァーレ  風の丘ホールパンフ解説

オーナーの急病のため、ピンチヒッターでパンフレットを作りました。
風の丘ホール
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■ドニゼッティの時代
ドニゼッティは19世紀前半に活躍したオペラ作曲家です。日本では徳川末期です。ドニゼッティから少し遅れて新選組が活躍し始める、そんな頃と思ってください。この頃からオベラが、今日の一般的な形になり、かなり私たちの耳になじんだものになってきます。

さて、オペラの歴史をながめると、19世紀前半には2つの大きな現象があります。
第1はカストラート(男性去勢歌手)の影響です。
バロック時代、18世紀オペラの最大の特徴はカストラートの存在でした。彼らはボーイソプラノの繊細さを成人男性のボリュームで表現できたので、その歌唱力を背景に超絶的なテクニックが発達しました。アリアでは音楽的な必然性よりは「どれだけ美しく歌うか」がひたすら追求されました(こうした美しい歌唱をベル・カント(美しい歌)と言います)。
19世紀にはいってカストラートが表舞台から消えても、その流れは残ったのです。前の時代からくらべれば、ずっと台本重視になってはいますが、やはりまだ、旋律線を美しく歌うことそのものが重視されました。男性の男声歌手、女性の女声歌手の技巧も発達しました。
カストラートの頃は個人の持つ名人芸にまかされていた歌い方が、この時代は楽譜に技巧がかなり書き込まれるようになり、楽譜どおり歌うことが要求されました。そこで、この時代を代表するロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティの作品を「ベル・カント・オペラ」と総称しています。

第2はオペラの民衆化です。
ヨーロッパでは、革命の時代を経て王様や貴族たちが力を失い、経済力を持った民衆が時代を動かすようになりました。日本で歌舞伎が民衆の娯楽として栄えたように、イタリアではオペラが民衆の興行となりました。そして、オペラは民衆の好みを反映させたものになっていきます。つまり大衆に「うける」ことを求められたわけです。その結果、様式性は次第にうすれ、劇としての感動が追及されるようになっていきました。神や英雄の物語であるオペラ・セリアと喜劇であるオペラ・ブッファも、その区分が次第に失われていきます。
こうした延長線で、前に述べた技巧的な歌唱も、ドラマとしての必然性を失わないように入れこむ工夫がなされました。こうして生まれたのが「狂乱の場」です。ソプラノが普通でない歌い方で超絶的な技を聞かせるのも、それはヒロインが苦難の果てに精神に異常をきたした時や、いまわの際なのだから納得できるというわけです。

ベル・カント時代の後を継いで、イタリアにヴェルディとプッチーニ、ドイツにワグナーという巨星があらわれます。そうして、19世紀を通してオペラが最大の花を咲かせていったのです。

■ドニゼッティの作品
ドニゼッティ(1797~1847)は多作でした。生涯に70余曲のオペラを作りました。
ちなみに、同時代のロッシーニ(1792~1868)は「セヴィリアの理髪師」ほか39曲を書いてオペラ作りをやめてしまいましたし、ベッリーニ(1801~1835)は「ノルマ」など10曲で早世してしまいました。というわけで、ドニゼッティは両手で書いているのだろうと揶揄されました。
今回上演される「ドン・パスクワーレ」は、最後のオペラ・ブッファの傑作と言われています。
50年後にヴェルディの「ファルスタッフ」が登場するまで、イタリアオペラの3大喜劇と言えば「セヴィリアの理髪師」、「愛の妙薬」と、この作品でした。
 【主な作品】 アンナ・ボレーナ  愛の妙薬  ランメルモールのルチア  連隊の娘  
          マリア・ストゥアルダ  ロベルト・デヴェルー  ルクレツィア・ボルジア
              
次回はヴェリズモ・オペラです。プッチーニの頃から(19世紀末期~20世紀)、オペラは演劇性、写実性が求められるようになります。そして、昔々の話ではなく、リアルな「今」の話のオペラが作られていきます。それがヴェリズモ(現代的な)オペラ。歌舞伎で言えば「生世話(きぜわ)」でしょうか。上演予定のマスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、映画「ゴッド・ファザー」に劇中劇として登場しましたよ。次回もお楽しみに!
by 50TEMPEST | 2004-11-06 15:10 | 歌舞伎,オペラ